GACKTさんが「NISA」を「投資商品」と混同して金融リテラシーが浮き彫りに?

歌手のGACKTさんによるNISAをめぐる発言が、今になってSNSで話題になっています。

発端となったのは、2025年12月23日に発売された著書『戦国武将、元極道、GACKTの他者を出し抜き、功を成す55の【策略】と【教え】』のプロモーションとして公開されたインタビューです。同書が12月23日に発売されたことは公式サイトでも告知されています。

2026年1月には「GACKTの稼ぎ方」をテーマにした動画が公開され、そのタイトルからして「無思考にNISAだけやってるヤツは○カなのか?」という刺激的なものでした。

その一部をユーザーがXに投稿したことで、9月になって再び拡散。「NISAをよく分かっていないのではないか」と批判が相次いでいます。

「NISAに投資する」という時点で話がおかしい

そもそもNISAは投資商品ではありません。

金融庁の説明では、NISAとは「少額投資非課税制度」です。通常は株式や投資信託の売却益や配当などに約20%の税金がかかりますが、NISA口座で保有する金融商品から得られる利益は非課税になります。

つまり、「NISAに投資する」というより、NISAという非課税の器を使って株式や投資信託などに投資するわけです。

その中でS&P500を買う人もいれば、全世界株式を買う人も、日本株を買う人もいる。同じNISA利用者でも、リスクの取り方も運用方針もまったく違います。

したがって、「みんながやっているからNISAをやるのは思考停止だ」という批判は、かなり雑です。

たとえるなら「みんなが銀行口座を持っているから、銀行口座を使う人間は思考停止だ」と言っているようなものです。

「人と同じことをするな」は正しいが……

もちろんGACKTさんが言いたかったであろう、「周囲がやっているからという理由だけで投資するな」という主張自体は正しいかもしれません。

金融商品にはリスクがあります。S&P500もオルカンも値下がりすることはありますし、自分の資産状況や年齢を考えずに投資するべきではありません。

問題は、その「自分の頭で考えろ」という話をする本人が、NISAという制度と投資商品を混同しているように見えてしまったことです。

しかも動画を制作したスタッフも、そこで一度「NISAは制度であって金融商品ではありません」と止めるべきだったのではないでしょうか。

皮肉なことに、この動画自体が金融リテラシーの重要性を説明する格好の教材になってしまいました。

Spindleを知る人には巨大なブーメラン

さらにSNSで蒸し返されているのが、GACKTさんがかつて関与していた暗号資産プロジェクト「SPINDLE」です。

GACKTさん自身、2018年にはSPINDLEについて積極的に発信し、プロジェクトに参加していることを明らかにしていました。当時のブログではTelegramの参加者が2万人を超えたことなども強調しています。

【参照リンク】GACKTが「仮想通貨暴落」騒動に「広告塔で入ったわけじゃない」反論も「小賢しいタイミング」投資家が批判 Smart FLASH

その後、SPINDLEは取引所への上場後に価格が大きく下落し、GACKTさん自身も一部報道に反論する事態になりました。

だからこそ、「大衆がみんなやっている投資は嫌いだ」「思考停止するな」という今回の主張には、「ではSPINDLEはどうだったのか」という巨大なブーメランが返ってきます。

投資では、人と違うことをすれば賢いわけでも、人と同じことをすれば愚かなわけでもありません。

重要なのは、制度と商品の違いを理解し、リスクとリターンを比較し、自分で判断することです。

「みんながNISAをやっているからNISAはダメ」という逆張りもまた、別の意味での思考停止ではないでしょうか。

GACKTさんが本当に訴えたかった「自分の頭で考えろ」という教えを実践するなら、まずNISAとは何なのかを調べるところから始めたほうがよさそうです。

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