住宅ローン金利の上昇が、いよいよ家計を直撃し始めた。
日銀の利上げを受け、2026年10月の「フラット35」の最頻金利は年3.830%まで上昇した。大手銀行の変動金利も1%台前半が珍しくなくなり、「住宅ローンはほとんどタダで借りられる」という時代は終わりつつある。

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0%台で借りた人にも金利上昇
ネット上でも負担増を実感する声が相次いでいる。「サム師匠の株とワイン」さんは、当初0.34%だった住宅ローン金利が1.57%まで上昇し、一括返済を検討しているという。一方、「マー@生涯投資家」さんは0.65%から1.90%に上がっても、繰上返済せず運用を続ける判断をしている。
どちらが正解というわけではない。手元資金や残存期間、運用利回りによって判断は変わる。ただし、「低金利だから借りられるだけ借りた方が得」という常識は、明らかに通用しにくくなった。
金利差が35年間積み上がる怖さ
怖いのは、住宅ローンが数十年という長期間にわたることだ。
例えば5000万円を35年、元利均等返済で借りる場合、金利1.89%なら総返済額は約6850万円だが、3.83%なら約9100万円になる。わずか2ポイント弱の金利差が、最終的には約2250万円もの差になる。
ここに長期金利の「複利的な怖さ」がある。
住宅ローンは通常、返済のたびに元本が減るので、預金の複利のように単純に「利息にさらに利息が付く」わけではない。それでも毎月、残った元本に対して金利がかかり、それが35年間続く。金利が少し違うだけでも、その差が長い時間を通じて累積し、最終的には数百万円、数千万円という違いになる。
「金利が1%上がっただけ」と考えるのは危険なのである。
「家賃よりローン」の常識も再検討
これまで住宅販売では、「家賃を払い続けるくらいなら住宅ローンを払った方が得」という説明がよく使われてきた。
しかし持ち家にはローン利息だけでなく、固定資産税、管理費、修繕積立金、設備更新費もかかる。さらに現在は住宅価格自体が大きく上昇したところに金利上昇が重なっている。
超低金利時代には、住宅価格だけを見ていればよかった。これから見るべきなのは「物件価格+35年間の利息」である。
特に変動金利の利用者は、「現在払えるか」ではなく、「金利がさらに上昇しても払えるか」で考える必要がある。
住宅ローンとは、将来の所得を35年先まで先取りして住宅を買う契約でもある。金利正常化は、その借金には本来かなり大きなコストがあるという当たり前の事実を、日本人に思い出させつつある。







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