立民党が消費減税から給付に転換:「東京ポイント」方式ならすぐ支給できる

立憲民主党が、物価高対策の中心を食料品の消費減税から給付へ転換した。10月7日に発表した対案では、政府の消費税減税・支援金案に反対し、中低所得者への給付を優先する方針を示した。選挙で掲げた「食料品消費税ゼロ」を、事実上棚上げする動きである。

ただし、徳永エリ政調会長は、食料品の消費税率引き下げ自体に「反対するものではない」と述べている。消費減税を全面否定したわけではなく、政府案に反対し、給付を中心とする政策に切り替えたというのが正確だ。立憲民主党

選挙では減税、国会では給付

立民党は2025年の参院選で、1人2万円の給付に続いて、食料品の消費税を原則1年、最大2年ゼロにし、その後に給付付き税額控除へ移行する公約を掲げた。実際に「食料品消費税ゼロ法案」も提出している。減税は単なる思いつきではなく、選挙で有権者に示した約束だった。24 財務金融・税制・経済財政 – 立憲民主党

その立民党が、今になって減税より給付の即効性を重視する。政策の修正は必要だが、なぜ公約を掲げた段階で実施までの時間や財源を十分に検討しなかったのか。方針転換を「経済情勢が変わった」で済ませず、以前の判断についても説明する必要がある。

もっとも、転換の方向には合理性がある。食料品だけ税率を下げても、家賃や電気代などの負担は軽くならない。消費額が大きい世帯ほど減税額も大きくなるため、限られた財源を生活困窮者に集中させるには、対象を絞った給付の方が適している。

給付は「東京ポイント」方式で速くできる

給付には時間がかかるという反論もある。しかし、東京都の「東京アプリ生活応援事業」は、迅速に届ける仕組みが実際に動くことを示している。

対象は、マイナンバーカードを持つ15歳以上の都内在住者。アプリで本人確認して申し込むと、11,000ポイントが数日から1週間程度で付与される。東京ポイントは民間の決済サービスのポイントなどに交換して利用でき、7月にはPayPayポイントとWAON POINTへの交換も始まった。tokyoapp.metro.tokyo.lg.jp

東京都公式サイト

この方式を参考に、本人確認と給付の受け取りをデジタルで結べば、毎回申請書を郵送し、自治体が確認する手間を減らせる。消費税率を変更するために事業者のシステム対応を待つより、既存の給付経路を整える方が早い場合もあるだろう。

ただし、東京の制度をそのまま全国に広げれば即日給付できる、という話ではない。所得制限を設けるなら所得情報との照合が必要で、スマートフォンやカードを持たない人への受け取り手段も要る。それでも、迅速な給付は実現不可能だという言い訳は通らない。

配る方法と財源をセットで示せ

立民党の対案は、年度内の低所得世帯などへの給付、2027年4月からの暫定的な所得連動給付、2029年4月からの本格的な給付付き税額控除という3段階だ。ただし、給付額や対象範囲はなお検討中で、恒久財源の具体的な内訳も決まっていない。立憲民主党

物価高対策として給付を行うなら、対象と規模を絞り、財源も明示すべきだ。赤字国債で広く購買力を上乗せすれば、物価上昇を後押しするおそれがある。デジタル化で配る速度が上がっても、配るお金が空から降ってくるわけではない。

これは給付つき税額控除にもいえることだが、財源措置が曖昧なので、その長期的な方向を示すべきだ。普通に考えて、消費税の増税しかないだろう。

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