臨時国会というより簗農水大臣の糾弾会のような状況になっています。予想通りです。高市首相は「簗ちゃん」を守りたいお気持ちでしょう。強烈だったのは鈴木宗男氏が自民党の会合で本人に直接「人としての矜持が問われてる」と述べ、簗氏のへらへらした顔が急にヤバいという表情に変わっていきました。個人的には辞任すべきだと思います。野党の問責決議案も出そうな気配です。首相も「泣いて馬謖を斬る」という言葉を思い出してほしいのです。農水の業務はいつも以上に重く、その重責を担うのは農水に詳しいからという選任理由ではなく、「できた人間」を選ぶべきです。
では今週のつぶやきをお送りいたします。
まだ続くか、市場のもやもや
北米市場がもたもたしています。中間選挙まであと3週間ちょっとに迫っており、この行方次第だとみています。トロントの証券マン氏から「お前は選挙をどう見る?」と来たので「オハイオ州の選挙動向次第で今回のマグネフィセント セブン(重要な7州)の行方が決まると思う」と答えました。何故オハイオかというのはヴァンス副大統領がオハイオ出身で副大統領になる際に自分の地盤を譲っています。ところが同州世論はその議席をめぐり拮抗から民主がやや有利とでており、仮に共和が負けることになればヴァンス氏の次期大統領候補はないともされています。
その中間選挙の行方。報道合戦もいよいよ盛り上がっていますが、あまり報道に囚われるとポイントを見失う気がします。今回の最大のテーマはトランプ氏の信認を議会を通じて行うこと。その切り口なら「失格」と思われ、トランプ氏の敗北=共和党の敗北となるのですが、民主党も目玉がないのです。そしてむしろ急進左派といった極端な思想にブレてしまうところが現代病的で刺激だけを求めるレベルの低い戦いに見えるのです。よって私から見ればどっちもどっちだよな、という感じがします。
もう1つ、ビジネス界からの気になるニュースはマスク氏のスペースX社がスターリンクを使い、携帯電話事業に参入すること。同社は既に800MHzのプラチナバンドを取得しています。これにより通常の携帯通信会社がおののいているのです。これは通信会社の宿命とも言うべき巨額投資と巨額借入金体質は寡占市場により守られるという前提を崩すのです。スターリンクが街中の携帯にまで進出すれば既存通信会社は圧倒的不利になります。多分、同社は世界で展開することを試みるはず。では日本でそのサービスを提供すればどうなるでしょうか?思い出してほしいのは楽天が携帯事業に参入した時、私は猛烈な異論を唱えたことです。たぶん、三木谷氏には宇宙ビジネスという概念がその時、まだなかったのかもしれません。それぐらい宇宙ビジネスは世の中のスタンダードを変えるということです。
最後に日本の株式市場について一言コメントしますね。正直、目玉がない、これが今の東京市場です。使い古された半導体関連銘柄が上下運動をしていますが、悪役はキオクシア。その注目は制度信用取引です。株価がピークをつけた6月基準で見ると12月が決済期限。政務上の区切りのころでもあります。信用の買い残は減らず、好材料にも反応せず、個人株主が多額の借金を抱え、一円でも損失を少なくしたいと思っている状況です。出来高もピークの1割程度で見方としてはどこまで下がるか、です。目先15000円程度が節目になるように見えますがさてさてどうなることやら。
国際秩序は保たれるか?
ノーベル平和賞に輝いたのは元国連人権高等弁務官でICCでも判事を経験したナバネセム ピレイ氏。事前の噂では赤根所長も候補に挙がっていたと思いますが、ノーベル賞委員会はアメリカへの反発姿勢にやや曲がりながらもピレイ氏を選びました。それでもアメリカの反発は必至とされ、事実、その発表から半日もたたずにトランプ政権はICCを制裁の対象と発表しました。トランプ氏としてはみずからが平和賞を受賞出来るどころか敵に塩を送られたことに怒り心頭なことでしょう。

トランプ大統領 ホワイトハウスXより
人権は権力に押し込まれてよいのか、極めて大きな課題であります。中国やロシアは権威主義で国民に一定の枠をはめ込んだことにたいして我々は民主主義の側から見て強烈な批判的立場を取ってきました。しかしトランプ氏は民主主義国家の代表格でもあるアメリカを権威国家に仕立て上げる気に見えるのです。国家権力は国家の意思に反する自由を許さない、というわけです。よってICCが仮に将来アメリカ人に逮捕状を出せばとんでもない仕打ちが来るということです。事実、ロシアは赤根所長以下の身柄引き渡しを要請しました。もちろんICCやオランダ政府がそれをすることはないと思いますが、赤根氏は極めて厳しい状況に追いこまれています。
では高市氏がこれにどれだけ対抗、擁護ができるのでしょうか?先般の35分間の日米首脳会談でも多少話題に出ていると思いますが、トランプ氏は聞き流したと思います。ICCには日本政府が最も資金的貢献をしているわけですから日本政府としてはどこまで抗議し、対抗できるかだと思います。赤根所長は退く意思をまったく見せない立派な姿勢を見せていますが、日本政府が氏の身の安全をどう確保するか極めて難しい局面にあるといえます。特にロシアは何をするかわからない点は要注意です。何らかの事態が生じればそれこそ、高市政権が揺らぐほどのインパクトが生じます。
国際秩序なんて久々に聞いた言葉かもしれません。若い世代には「何それ?」でしょう。その秩序のために国連が存在するも機能していません。国家はより傲慢になり、権力者が国民と経済力や国力を担保に戦いを挑みます。国際法は国家間の食い違うルールを調整する機能を持っており、ICCもその枠組から生まれたものであります。外交問題が生じれば国際ルールに従って問題解決する国際司法裁判所が大きな役割を演じたのですが、近年は2国間ディールで物事を解決する、つまり折衷するようになりました。そこには公平の原理があるとは思えないのです。これが現代のスタンダードだと思い、受け入れよと言われたら皆さん、どうしますか?私は御免被る、です。
後記
先週も触れましたが、日本企業への不正アクセスが尋常ではないレベルにあると思います。私どもが取引するある日本の業者に今週注文を入れたのになしのつぶて。数日たち、貰った返事が「倉庫の業務に支障があり出荷が遅れる」と。ははーんと思いました。この会社もやられたな、と。事実、調べてみればちゃんと10月2日にAIハッカーにやられています。正直に言えばよいのにな、と思いますが、たぶん、情報漏洩がどれだけ進んでいるのか調べがつかないのでしょう。このところ、Emailでも怪しいメールが異様に増え、どう対応すべきか悩ましく、もう嫌になってしまいます。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年10月10日の記事より転載させていただきました。







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