イーロン・マスク率いるスペースXの携帯通信事業への進出が、米通信業界を揺さぶっている。同社は10月8日、投資会社グレイン・マネジメントが保有する全米規模の800MHz帯の周波数利用権を取得する契約を発表した。衛星通信サービス「スターリンク」を、携帯電話事業者へと発展させるための一手である。prnewswire.com

Starlink Mobile V2 (CNET)
翌9日の米株式市場では、既存の携帯電話大手が大幅に売られた。投資家が警戒したのは、宇宙から現れる新たな競争相手によって、既存事業者の収益基盤が脅かされることだ。
衛星と地上の通信網を組み合わせる
今回の契約で注目すべき点は、スペースXが衛星だけでなく、地上からも利用者に通信を届ける構想を進めていることだ。グレインの発表は、取得する周波数を活用し、「スターリンク・モバイル」が地上と宇宙の双方から顧客に接続する方針を示している。prnewswire.com
山間部や遠隔地でつながるサービスに、日常生活でも使える通信網を組み合わせられれば、スターリンクは既存の携帯電話会社に対抗できる選択肢となり得る。
携帯大手にとっては、新規参入による料金競争や顧客流出が懸念材料になる。一方、利用者には、通信エリアの拡大や料金の引き下げにつながる可能性がある。株主が恐れている競争は、消費者にとって歓迎すべき変化にもなり得る。
「携帯大手の終わり」と判断するのは早い
ただし、今回発表されたのは周波数利用権の取得契約であり、全国で既存大手と同等のサービスが直ちに始まるわけではない。興味深いのは、携帯会社の株価が急落する一方、通信塔を運営するアメリカン・タワーやクラウン・キャッスルなどの株価が上昇したことだ。
市場には、スペースXの参入で地上設備への需要が増えるとの見方もある。衛星通信を中心に据えても、都市部で本格的に競争するには、追加の設備や周波数が必要になると指摘されている。investing.com
携帯大手の株価は約9〜13%下落
米投資情報誌インベスターズ・ビジネス・デイリーによると、9日の株価下落率は、AT&Tが9.85%、ベライゾンが8.75%、TモバイルUが13.3%だった。
通信株への売りは欧州にも波及し、TモバイルUSの親会社であるドイツテレコムは7.9%、フランスのオレンジは2.5%、スペインのテレフォニカは4.6%下落した。米国での競争激化への懸念が、通信業界全体の評価を押し下げた。investing.com
ロケット会社が携帯電話会社の株価を揺さぶる時代になった。既存大手に問われるのは、築き上げた通信網を守るだけでなく、新しい競争の中で利用者にどんな価値を提供できるかだ。







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