パリの学生デモでどんな新しい革命歌が歌われているか

世界で広がる反富豪の動き

ヨーロッパやアメリカでのデモや急進派の勝利を移民の反乱と勘違いしている日本の高市応援団は、世界が見えておらず、痛い目に遭うだろう。

テキサス州でマスク氏が投じた資金のうち、2億ドル(約316億円)以上が、同州の連邦上院選で共和党のケン・パクストン候補を支援する政治活動委員会に充てられたが、パクストン候補はタラリコに惨敗。テキサス州知事選挙まで負けて、AIセンターを自由に造るなんて夢になった。

大富豪だけが好きなようにできるとか、株価を上げるのが経済政策の最大の目的だという世の中が長続きするわけがない。AIは、中国とも協調して人類が制御できるように管理しない限り、本当に人類を滅ぼしかねない。

若者たちが結成した「新世界管弦楽団」

ところで、フランスのデモが文化を破壊するようなものではないことの象徴となっているのが、数百人の若者たちが楽器を持ち寄り、壮大な音楽を奏でながら抗議活動を盛り上げていることだ。その中心的存在として注目されているのが、「オルケストル・デュ・ヌーヴォー・モンド」(Orchestre du Nouveau Monde、新世界管弦楽団、略称ONM)である。

Orchestre du Nouveau Monde 公式サイトより

この楽団は、指揮者エティエンヌ・ジャリエ(Étienne Jarrier)らによって2020年ごろに結成され、2022年に非営利団体として正式に組織された。音楽院の学生や卒業生、アマチュア音楽家らが参加しており、2026年11月現在、約250人もの会員がおり、平均年齢は24歳。ジャリエが新型コロナ禍に父親を亡くした際の追悼演奏などから出発しているらしい。

楽団名はドヴォルザークの交響曲第9番『新世界より』に由来するそうだ。「新世界」とは、気候変動、経済的不平等、差別などに反対する新しい社会のことで、反資本主義、環境保護、反人種差別、フェミニズムなどを掲げ、クラシック音楽をコンサートホールから街頭へ持ち出して社会変革につなげようとしている。

2022年には環境活動家カミーユ・エティエンヌと協力して氷河消失を訴える映像作品を制作した。

しかし、一躍、世界で爆発的な人気を得たのは、2026年10月17日のことだ。パリのレピュブリック広場で高校生の抗議運動を支援しようと、呼びかけに応じた400人以上の音楽家が集まったが、警察の催涙ガスや閃光・音響手榴弾で演奏を中断させられた。この映像がSNSで拡散し、音楽家に対する警察の対応が批判され、知名度が急上昇した。

フランス革命以来の音楽と街頭政治の伝統

楽団は「新世界への呼びかけ」と題する運動を始め、全国各地で市民が自由に参加できるオーケストラの結成を提唱した。演奏技術や年齢を問わず、楽器のない人も歌で参加でき、音楽を通じてデモに活気と連帯感を与えようとしている。

音楽を抗議運動のおまけではなく、音楽そのものを政治的な意思表示とし、芸術と社会運動の境界を乗り越えようとしているのは、ラ・マルセイエーズやインターナショナルを生んだフランス革命以来の街頭政治と音楽の伝統を、若い世代が現代的な形で引き継ぎ、再生させているものだ。

パリのデモで歌われる革命歌の数々

それでは、どんな曲がよく演奏されているかというと、以下のようなものだ。

参加者が最もよく合唱している行進曲風の歌は「J’ai deux passions, la fanfare et la révolution !」(ジェ・ドゥ・パシオン、ラ・ファンファール・エ・ラ・レヴォリュシオン)。

日本語では「私には2つの情熱がある。ブラスバンドと革命だ!」という意味だ。

2026年11月3日にはパリのパンテオン周辺のデモで歌われ、11月4日にSNSで歌詞付きの動画が紹介されていた。

このフレーズ「J’ai deux passions, la fanfare et la révolution !(私には2つの情熱がある。吹奏楽隊〈ファンファーレ〉と革命だ!)」は、近年フランスのデモやストライキでよく演奏・合唱される応援歌の題名・サビとして知られている。

リヨンの活動家系ブラスバンド(ファンファーレ)グループ「FAME de Lyon」が広めた比較的新しい運動歌らしい。歌詞の紹介サイトでも「From la FAME de Lyon(リヨンのFAMEより)」とされているが、作詞・作曲者や最初に演奏された時期については、まだ確実な情報がない。

チリのアジェンデ政権の革命歌『不屈の民(¡El pueblo unido, jamás será vencido!、団結した人民は決して敗れない!)』は、現代左翼運動の定番だ。

映画『ハンガー・ゲーム』の挿入歌「The Hanging Tree(ハンギング・ツリー/首吊りの木)」も人気のようだ。

「さらば恋人よ(Bella Ciao)」は、第二次大戦中の1943年から1945年にかけ、イタリアの反ファシスト運動で歌われた作詞・作曲者不詳のパルチザンソング。パルチザンに入って戦うことを決意した若者が恋人に別れを告げる歌だ。

『スター・ウォーズ』もこういうときには欠かせない。

ヨーロッパではインターナショナルは共産党でなくても社会民主党系の人でも普通に歌う。もともとフランス語が原語だ。

もちろん、ラ・マルセイエーズも歌っている。

また、名前の由来となった『新世界交響曲』の第4楽章も演奏される。

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