米国のトランプ大統領は16日、米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)の副議長に、米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)の幹部でコロンビア大学の教授でもあるリチャード・クラリダ氏を指名すると明らかにした。トランプ大統領はこのほか、FRB理事にカンザス州銀行監督当局のミシェル・ボウマン氏を指名する(ロイターの記事より引用)。
クラリダ氏はジョージ・W・ブッシュ元政権で財務次官補(経済政策担当)を務め、10年余りにわたりPIMCO勤務で金融市場についての知見を培ってきたとされる(ブルームバーグ)。
クラリダ氏は昨年10月に退任したフィッシャー前副議長の後任となる。こちらは金融政策全般を担当する副議長ポストとなる。もうひとりの副議長は昨年10月に就任したクオールズ氏(銀行監督担当副議長)。
ダドリー氏の後任として6月18日付でニューヨーク連銀の次期総裁に就任するサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁と共に、クラリダ氏はエコノミストという立場から、2月に議長に就任したパウエル氏を支えることになる。
FRBの正副議長を含む理事職(定員7)は現在、4つが不在という事態となっている。パウエル議長とクオールズ副議長(金融規制担当)が就任し、理事としてはブレイナード理事だけとなっている。昨年11月に理事に指名された米カーネギーメロン大教授のグッドフレンド氏は、議会の承認がまだ得られていない。
もちろんクラリダ氏とボウマン氏も就任には上院の承認が必要となる。共和党が多数を占める上院ではあるが、FRBに対する風当たりも強いようで、すんなりと承認されるのかどうかは不透明。
ちなみに2018年にFOMCで投票権を持つほかのメンバーは、ニューヨーク連銀総裁に加え、メスター・クリーブランド連銀総裁、ボスティック・アトランタ連銀総裁、ウイリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁(6月18日からの次期総裁は未定、メアリー・デイリー氏との見方も)、バーキン・リッチモンド連銀総裁となる。
編集部より:この記事は、久保田博幸氏のブログ「牛さん熊さんブログ」2018年4月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。