「CEATEC JAPAN 2018」@幕張メッセ。
出展社数は昨年より58多い725。
しかも初出展が345。
半分近く顔ぶれが入れ替わったんですね。
家電展からIoT展へと大きく舵を切っています。
2009-10年はマルチ端末の3D、11-12年はスマート化、13-14年はクルマに軸が置かれていました。
2015年にIoTが台頭し、2016年には「脱家電」を宣言しました。
今年は「Society5.0」を標榜し、IoT、ロボット、AIに軸を移しました。
すっかり変身しましたね。
家電や通信だけでなく、金融、物流、流通、観光、建設など産業界全体にわたる参加が見られます。
コマツ、ダイキン工業、ローソン、竹中工務店、三菱地所などが初出展。トヨタや京セラも復活です。
そして、IoTやAIが提案から実装へとステージが移ったことが実感できます。
(福井産業支援センターの医療用アシストスーツ。)
昨年までのぼくの観測はこちらに。
「CEATEC2017」
NTT。360度どこからでも3Dに動画を表示。
スクリーン自体は1mmで、10cmぐらいの厚みを持つ映像が見えます。
上部から60台の小型プロジェクタで投影される仕組み。
「サッカーのフィールドを立体で表示する、という広がりが考えられます。」
うむ、さすが。
KDDIは5G押し。
360度VR観光。
VR体感型スタジアム。
ARシューティング。
そしてテレイグジスタンス。
裏側はわれらがチャリス社長が差配していました。
カッコいいぞチャリス。
シャープは8KとIoT押し。
触れる8Kに目が止まりました。
そう、8Kは超大画面のパブリックビューイング没入か、超接近でインタラクティブか、だと思うんです。
触っていじって拡大して、でもどこまでもキレイ。
教育利用が有望では。
富士通、コミュニケーションロボットRobopin。
プロのダンサーの踊りを取り込み自然な動きを見せます。
「他社もコミュニケーションロボットに力を入れているが、まだトップランナーがいない。チャンス。」
とのこと。
NECの顔認証は空港にも、オリパラにも納入されるんですよね。
技術的には某社のほうがリードしていたはずですが。
「老若男女のユーザテストを徹底的に繰り返し、ユーザサイドに立った使い勝手を改善した結果です。」
パナソニック。
位置測定無線プラットフォーム。
位置とIDをセンシングしてそれぞれのロボットを制御します。
表情や熱、姿勢をセンシングしてストレスや寒暖を表示するシステムも。
テクノロジーを駆使した未来型のサービスをデモする特別エリア「IoT TOWN」。
三井住友のSMBCと日本総研は昨年に続きIoT+農業。
DONKEYも健在です。
三菱UFJ。
移動ATM。
「銀行は、行く、から、来る、へ。」
もうフェスなどで使われているそうです。
バンダイナムコもIoT押し。
デスクトップライブスペース。
「デスクトップにあなただけのステージを!」
RFIDを内蔵したフィギュアがスマホと連動して歌ったり、ステージの照明が変化したり。
フィギュアも受け身から双方向の時代へ!という触れ込み。
フィギュアが動くようになるといいのにね。ライブの実演。
ファナックは、シスコ、ロックウェル、PFN、NTT、NTTコミュニケーションズ、NTTデータの7社を主要メンバーとする「FIELD system」を進め、製造現場のスマート化を加速するとのこと。
1年前のCEATECで運用を発表したものです。
初出展、ローソン。
最も賑やかな人だかり。
ウォークスルー決済。
AI搭載のバーチャルクルー。
RFIDを用いた商品の在庫管理。
あちこちで「人が要らないね」という声。
さらに「デジタルコンシェルジュ」。遠隔地にいる医師や弁護士に相談したりできる。人は遠くにいる。
「実装」を見せてくれました。
初出展、ダイキン工業。
空気を固めて飛ばす空気砲。
空気を風として流すのではなくポンと塊として出し、触覚として作用したり匂いを届けたりする。
快眠サポートを提案。
空気砲とエアコンを組み合わせ、一定のリズムで空気が触れることで、ゆりかご効果で眠らせてくれたり優しく起こしてくれたり。
これも初出展、コマツ。
建設現場向けICTソリューション「スマートコンストラクション」。
「3DデータとICT建機の組み合わせや現場から発信されるデータの活用によって、労働力不足やオペレータの高齢化、安全やコスト、工期にかかわる課題の解決に取り組んでいます。」
米国、英国、フランスの各パビリオンを展開する「Co-Creation Park」。
先日、フランスのインキュベーション施設「Station F」を訪問してきたのですが、フランスのIT系、AI系のスタートアッパーには勢いがあります。
世界市場を見据えているんですよね。
情報通信研究機構NICT。
5Gでのスマートオフィス、無線アクセス技術STABLE。
AIの音声対話エージェント WEKDA。
IoTの総合的エミュレート基盤 StarBED。
ぼくが機構の根拠法を作ったのは25年以上前のことですが、いよいよ時代が来ました。
放送サービス高度化推進協会A-PAB。
12月に新4K8K衛星放送が始まります。
受信環境の整備と、普及啓発に余念がない。
がんばってください。
われらがビッグクラッピー君も参加したCEATEC。
おつかれさまでした。
編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2018年12月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。