コロナ禍!子供をゲーム依存から守る3つのステップ

先日、ゲーム依存の診療を行っている病院の先生から「コロナでゲーム依存から回復しようとしてた子達が、軒並み再発しちゃっているんだよね。」と聞き、「それはそうだろうなぁ」と思いました。

写真AC:編集部

依存症というのは一度なってしまったら、回復は決して簡単ではありません。だからならないに越したことはないのですが、今は依存症の誤解や偏見が強すぎて、おそらくどんな大人たちも「子供をゲーム依存から守りたい!」と思っているにも関わらず、逆のことをやっちゃっているんですよね。

コロナ禍にあり、しかも人との接触や、外出も控えなくてはならない現在、依存症の当事者及び支援に関わるものとして、ゲーム依存の予防の観点から子供との関わり方について、私見を書きますね。ただし依存症の要因は1つではないので、親の育て方が原因ではありません。家庭でできる予防の一つと思って下さいね。

1)自己肯定感を育てる

実は「過度な期待」「厳しすぎるしつけ」「価値観の押しつけ」など、「子供のため」と思って家族や地域社会がやってきたこと、自己肯定感を失わせていることがあるのです。

とにかく「子供にガミガミ言って、良いことなんか一つもない!」と思って下さい。自己肯定感が下がり、何をやるのも恐くなり、自分の殻に閉じこもってしまいます。

「部屋を全く片付けない」とか「勉強しない」とか、それで人生が終わらんばかりの勢いで、嘆いている人がいますが、私なんぞPTAで講演を依頼されると「みなさんのDNAを受け継いだお子さんですから、勉強熱心で整理整頓行き届いた子供になることは、さっさとあきらめましょう!」と開口一番お伝えすることにしています。

とにかく「良い方に目を向け、できていることを認めていく」これはもう親の価値観を広げるしかない!です。うちの娘なんかですね~、授業参観にいくと一番最後までモタモタしてるんですよ。みんな給食食べ始めているのにまだノート書いてる。

そんな時も依存症のこと理解していたので、予防のつもりで「あの子は人と比べずすごい」「周りに流されず根性ある」と自分に言い聞かせてました。修行です!修行!

2)先取り不安、心配性を子供に植え付けない

よくいるんですよ、将来のことばっかり心配してる親御さん。大丈夫です、将来になったらもう大人なんですから、自分で変えるべきこと、学ぶべきことは、自分で対処していきますから。

子供時代の特権は「失敗の経験が沢山出来る」ことじゃないでしょうか。子供時代って全てが未知との遭遇なわけじゃないですか。その時に、好奇心旺盛に「やってみたい」「見てみたい」と思えるのって、上手くいかなかったとしてもダメージが少なく、やり直せばいい、他の方法を試せばいいと思えることだと思うんですね。

大人になったって人生なんて、やったことないこと、色んなタイプの人との出会いの連続なんですから、「経験する」ってことのハードルは低い方が生きやすいわけですよ。

それをいちいち失敗すると「だから言ったじゃないの!」とか「良く考えなさい!」なんて言われたら、チャレンジできなくなります。「将来が台なしになるわよ!」なんて声かけも最悪です。人間、一度や二度の失敗で人生がダメになったりしません。「やってみて、ダメだったらその時考えよう」この位、気楽に生きられる術を伝えた方がよいのです。

ちなみに人間の性格には色々あって、下準備をしっかりする子、とにかくまずやってみる子といます。私のように直感だけで生きていて、段取りが全くできない人もいます。それをいちいち「ちゃんと準備しなさい!」と押し付けるのも止めましょう。好きな段取りでやらせればいいのです。

3)人に助けを求める方法を教える

「自分のことは自分でしなさい」「人に迷惑をかけないようにしなさい」。これって学生時代からしつっこく言われることですけど、自分の人生は一人で乗り切れるものなんかじゃないです。だからですね、できないことや苦手なことは人に助けて貰うってことを教えた方がいいです。

黙ってたって自分でできることは自分でやるようになります。できないことは人に頼る。それを教える最も良い方法は、親が実践することだと思います。親もできないことが沢山あり、人に頼ってる姿をガンガンみせると良いと思うんですよね。そしてそれを伝える。

「こんなの私できないから、できる人を見つけてこよう!」とか、夫ともよく助け合っているので、そういう会話を子供たちの前でどんどんしましたね。親がかっこつけない、完璧を装わないってのも大事じゃないでしょうか。

とまぁ、思いついたことを書きましたが、ホント大事なのは「色んな経験をしてみよう!」と思えることです。人と関わるのが恐い、新しいことが恐い、計画の変更が恐い、失敗が恐い、叱られるのが恐い・・・となると、閉じこもり何かに依存していくしかなくなります。

だから日頃ガミガミ言いまくって、将来の不安を吹き込み、失敗すればそれを許さず、自分のことは棚にある・・・とこんなストレスフルな状況下に子供を置いたら、子供はゲームに逃げるしかなくなります。

依存症予防には、失敗を沢山させて、好きなことをやらせ、やりたいけどできないことは誰かに助けて貰うってことを伝えていくんですね。

だからまず変えるべきは、自分の心配症を治す!って親御さんも多いと思いますよ。家庭でできる依存症予防は、上っ面の時間制限に拘泥するよりも、心をどう育てるか?の方が大事だと思います。