東京の鮨店でも存在感が薄くなる日本人

新春に築地にあるお気に入りのお寿司屋さんに出かけました。カウンター席だけの小さなお店です。

この日は私を含め日本人が4人、残りの4人が外国人という構成になりました。外国人は3人組と男性1人の2つのグループです。

アジア系と思われる3人組は、こちらのお店に何度か来ているらしく、新年のお土産を店主に手渡していました。日本人以上の気配りです。

男性1人で来ている外国人はインド系のようで私の隣に座っていましたが、お酒は飲まずにお茶を頼んでいました。

あん肝や白子の味噌仕立てといった、日本人でも好き嫌いが分かれる料理が出されていましたが、苦手なものはないらしく、当たり前のように食べています。

握りで出てきた「マグロのはがし」がとても気に入ったようで産地やマグロのキロ数などをマニアックに質問していました。

ひょんなことから少しだけ話をする機会がありましたが、日本に来てお寿司屋さんを食べ歩いてるそうです。

これから出かける予定のお店を聞いてみると、日本人の寿司好きでもなかなか予約の取れないような超有名店が次々と出てきました。さらに東京だけではなく京都の予約が困難な和食店にも出かけるようです。

もう1組の外国人3人組もおまかせの握りが終わってから、さらに追加で大量にお寿司を注文していました。

彼らは2週間以上前に日本にやってきて、京都や金沢などを食べ歩きしながら旅行しているようです。

そんなわけで、この日のカウンターの主役は完全に外国人4人になってしまい、残りの日本人はアウェイな感じで静かに食べている。そんな日本とは思えない雰囲気でした。

日本ではこれからさらにインフレが進み、日本人には手が届かなくなりそうな高級鮨店ですが、外国人にとっては円安になれば割安に感じられ予算を気にせず食べられます。

外国人から見れば、これだけのクオリティーのお料理をリーズナブルな価格で食べられる。世界的に見てとてもバリューを感じるように思います。

お金だけ持っていて、シャリに醤油をどっぷりと漬けて食べるような味のわからない外国人ではなく、日本食のすばらしさを日本人以上に理解して食べ歩く富裕層外国人が増えました。

嬉しいような、でも何だかちょっと寂しい気もするお正月の情景でした。

t_kimura/iStock


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2026年1月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。