中東情勢が不安定化し、これまで比較的安全だと思われていたドバイやバーレーンなどもドローンで攻撃されるという状況になっている。

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これまでは、日本は中東から遠いためあまり報道されてこなかった中東情勢ではあるが、欧州は中東と歴史的にも距離的にも近いということがあり、今回の攻撃はある意味想定内であった。
驚くべきことに日本では報道が少なかったからか、実に気軽に中東経由の飛行機で欧州に来ていた人がいたり、ドバイやバーレーンに遊びに行っていた人までいたというのだ。
欧州の人々はロシアがウクライナに侵攻した頃から中東への渡航は避けている。
経由便ももってのほかである。
値段が安いのには理由がある。
さらに中東には駐在したがらない人が多いので、常に中東向けの求人が出ている。
中東での会議やミーティングもキャンセルする人が少なくない。
行きたがらない人があまりにも多いので、中東での案件というのは非常に魅力的な報酬が得られ、福利厚生も大変恵まれているが、今あえて行く人というのは、本国ではなんらかの理由で仕事がないとか、お金が必要な人が多い。
これは金融だけではなくて、教育関連も同じである。
もちろん最近の税制の改悪で、税金が高いイギリスを避けて、ドバイやアブダビに引っ越す人もかなりいるわけだが、しかし、注意深い人は産油国にはまず行かない。お金よりも命が重要だからである。
さて、そのような状況ではあるが、アメリカが今イランを攻撃するのは、ただ単に元体制に反対する人々を救済するためというよりも、中国が手にする資源を何とか断ちたいという意図が強いのだ。
しかしながら、欧州はイギリスを始め、ドイツも中国とは非常に微妙な外交関係を保ちつつ、ビジネスもやりたいという意図もあるので、かなり慎重に対応してきた。
しかしアメリカは中国に対してかなり強硬であるから、政治的にはかなり難しい立場に追い込まれている。
ここでアメリカに反対すると機嫌を損ねて通商関係が悪化する。
アメリカに対して貿易赤字であるイギリスは欧州大陸に比べるとまだ強めの立場を取ることが可能なので、スターマー政権はアメリカ軍がイギリスの空港を使うことを拒否している。
しかしこれはイギリス国内でも大変な批判を浴びている。
事態が悪化する可能性もあり、状況が東アジアにも飛び火した場合は、日本は中東で手一杯のアメリカに頼れなくなる可能性がある。
高市政権が、日本の防衛力強化に焦っているのは非常に納得がいくことであるし、もう待ったなしというところだろう。
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