エネルギー危機に対応して原発を緊急に再稼動すべきだ

アメリカとイスラエルのイラン攻撃によって、世界的にエネルギー価格が大幅に上がっている。トランプは一撃で終わると思っていたようだが、イランは湾岸諸国の米軍基地に多数のドローンを飛ばして反撃し、戦局は湾岸地域全体を巻き込んで泥沼化している。

石油は250日分の備蓄があるが、LNGは3週間分しかない。日本の輸入するLNGのうちホルムズ海峡を通るのは1割程度なので、ただちに供給に大きな影響はないが、国際価格が2割近く上がり、エネルギーコストが大幅に上がることは避けられない。

原発の動かない地域の電気代が激増する

特に問題なのは電力である。次の表をみればわかるように、原発の動いている関西電力や九州電力に比べると、原発の動かない東日本の電気代は2割ぐらい高い。今後、東日本の電気代が大きく上がるだろう。

日本経済新聞

それに対応する予備の資源が日本にはある。すでに原子力規制委員会の審査を通った原発が4基、さらに審査中の原発が8基あるのだ。このうち柏崎刈羽の6号機はすでに稼働し、7号機も地元が承認したが、他の10基はまだ審査が終わっていない。

しかし安全審査が終わるまで再稼動できないという規定は、原子炉等規制法にはない。2013年に田中俊一委員長が書いた田中私案なるメモがあるが、これには法的根拠がない。手続き的には、定期検査の終わった原発は規制委員会の許可なく再稼動できる。

2014年の答弁書で内閣が「原子炉等規制法において、発電用原子炉の再稼働を認可する規定はない」と答弁した通り、規制委員会は再稼動を認可も禁止もできないのだ。

安全審査は運転と並行してやるべきだ

そもそも原子炉等規制法には、新規制基準を既存の原発に遡及適用するバックフィットの規定がない。浜岡で問題になった基準地震動も、規制委員会が一方的に決めて既存の施設を改築するまで動かないが、そんな権限は委員会にはない。炉規制法の原則は運転と並行して審査することである。

定期検査と違って安全審査は単なる書類審査であり、原子炉を止めておこなう必要はない。特重(特定重大事故等対処施設)に至っては原子炉とは独立のバックアップなのだから、それができるまで原子炉の運転を止めろというのはナンセンスである(今回やや規制が緩和された)。

原子力規制委員会の独立性が強すぎる

都道府県知事にも許認可権はないので、設置変更許可を受けた原発は地元の「お気持ち」で止まっているだけだ。新規制基準には地域防災計画は含まれていないので、それを再稼動の条件とするのも誤りである。

今の原子力規制委員会は、民主党政権が事故後のドタバタの中でつくり、その設置法も(当時野党だった)自民党の塩崎恭久氏が独立性の強い3条委員会にした。このため他の役所が安全基準の運用に助言できず、委員会が独断で再稼動を15年間も止めてきた。設置法を改正するのは困難だが、他の官庁と協議する制度をつくるべきだ。

高市内閣は原子力に前向きなので、政権が地元と話し合って緊急に再稼動を進めるべきだ。北電の泊3号機と日本原電の東海第2はすでに設置変更許可がおり、北陸電力の志賀や中国電力の島根も安全審査は実質的に終わっている。あと10基の原発が動けば、1000万kWh以上の電力が供給され、日本のエネルギーは安定する。

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