「何もしない」は最高の自己投資!現代人を救う情報のデトックス処方箋

桜が散ったと思ったら、いきなり初夏の陽気が顔を出す今日この頃。この時期、私の周りでも「なんだか体がシャキッとしない」「仕事中なのに脳内が霧に包まれている」とぼやく方が急増します。

いわゆる「五月病」の一歩手前といったところですが、クリニックを訪れる患者さんの様子を観察していると、ある共通点に気づきます。

それは、待合室で待っている間も、診察室に入る直前まで、食い入るようにスマホを見つめていること。

「先生、疲れが取れないんです」と言うその手には、最新のiPhoneがガッチリ握られている……。それ、処方箋を出す前に、まずはその「四角い板」をカバンに封印しませんか?

Sunan Wongsa-nga/iStock

脳みそは「情報のわんこそば」状態?

なぜ私たちの脳は、これほどまでに疲弊しているのでしょうか。

一説によれば、現代人が1日に受け取る情報量は、江戸時代の人の一年分、あるいは一生分に相当するとも言われています。SNSを開けば友人のキラキラした(あるいはドロドロした)日常が流れ込み、ニュースアプリは1分おきに「衝撃の事実」を突きつけてくる。

私たちの脳は、言わば「情報のわんこそば」を強制的に食べさせられている状態です。一杯飲み干した瞬間に、次の情報が「はい、ドンドン!」と放り込まれる。これでは脳が悲鳴を上げるのも無理はありません。

特に問題なのが、脳の休息回路である「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」の機能不全です。これは、私たちが「ぼーっとしている時」にだけ働き、情報の整理整頓を行ってくれる、いわば「脳内の自動掃除ルンバ」のようなもの。

しかし、隙間時間にスマホをチェックし続けていると、このルンバが起動する暇がありません。結果、脳内はゴミ屋敷状態になり、「なんとなくやる気が出ない」という慢性疲労が完成するわけです。

瀬戸流「ゆるデジタル・デトックス」3つの処方箋

「スマホを捨てて山に籠もれ」なんて無茶は言いません。私もAmazonのセール通知は気になります。大事なのは、「脳の主導権を自分に取り戻す」こと。

今日からできる3つのステップをご紹介します。

1. スマホは「寝室の外」で充電せよ

睡眠の質を上げたいなら、これが一番。スマホから出るブルーライトは、脳に「今は昼間ですよ!」と誤解させる、言わば「脳へのカフェイン注入」です。

寝る1時間前にはスマホを別の部屋へ。代わりに、買ったまま積ん読になっている本や、お気に入りの音楽を引っ張り出しましょう。「スマホがないとアラームが鳴らない」という方は、これを機にレトロな目覚まし時計を買ってみてください。カチカチいう音も、意外と乙なものですよ。

2. 「通知」はあなたの主人ではない

スマホの通知設定、全部「オン」にしていませんか?
SNSの「いいね」や、どうでもいいアプリのセール情報が鳴るたびに、あなたの集中力はズタズタに引き裂かれています。あなたは一国の首相ではありません。全ての連絡に即レスする必要はないのです。
設定を「緊急の連絡」以外すべてオフにする。これだけで、あなたの脳は驚くほど静かになります。

3. 「ぼーっとする」という高度な技術

通勤電車やレジの待ち時間、無意識にスマホを取り出すクセを卒業しましょう。
あえて窓の外の景色を眺める。街を歩く人の靴を観察する。風の匂いを感じる。こうした「情報の入力がない空白の時間」こそが、脳にとって最高のサプリメントです。現代において「何もしない」ことは、実は非常に贅沢でクリエイティブな活動なのです。

「何もしない自分」を許してあげて

私たちは、常に何かに追われ、何かを知っていなければならないという強迫観念に囚われがちです。でも、情報の海で溺れそうになったら、一度岸に上がって深呼吸してもいい。

「何もしない時間」を無駄だと責めないでください。それは、明日また元気に動くための、自分自身への「心のメンテナンス」なのですから。

さあ、この記事を読み終えたら、一度画面を閉じて、大きく背伸びをしてみましょう。ほら、スマホの画面越しに見るより、今日の空はずっと綺麗ですよ?

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