ボクシング元世界3階級王者の亀田興毅氏が16日放送のTBS系「週刊さんまとマツコ」に出演し、現役時代に総額7億円を超える詐欺被害に遭っていたことを明かした。被害額の大きさに驚きの声が上がる一方、その経緯を見ると、決して他人事ではない。
「兄貴」と慕った男性に4000万円
亀田氏によると、発端はスポンサーから「すごくいい人」と紹介された男性だった。相手の親も会社を経営していたことなどから信用し、「兄貴」と呼ぶほど親しくなったという。
男性から「こういうのをやったら儲かる」と持ちかけられ、最初に約4000万円を渡した。その後、「3カ月後には戻ってくる」と説明され、さらに2000万円を出資。途中で100万円ほどが実際に返ってきたことで、信用を深めていった。
資金提供はその後も続き、土地やマンションまで譲渡。最終的な被害額は7億円を超え、子供の幼稚園代も払えないほど追い込まれたという。
「ここでやめたら返ってこない」
被害が拡大した背景には、亀田氏自身が語った「ここで貸せへんかったら、今まで出した金が返ってけえへん」という心理があった。
すでに多額のお金を投入しているため、「ここでやめれば全部無駄になる」と考えて追加資金を出してしまう。
最初から7億円を要求されていれば、応じなかった可能性が高い。最初は4000万円、その後2000万円、さらに少額の返金を挟みながら徐々に金額が膨らみ、引き返しにくくなった。
「ボクサーだから」で片づけられるのか
Xでは「ほらね やっぱりボクサーって 薬師寺もだけど ダメだよ」といった厳しい反応も出ている。
だが、今回のケースを「ボクサーだから」「金銭感覚が普通ではないから」と片づけるのは早計だろう。
相手は見知らぬ人物ではなく、信頼するスポンサーから紹介された人物だった。最初には実際に一部のお金も返ってきた。そして損失が大きくなるほど、「取り戻したい」という心理が強くなった。
これは誰にでも起こり得る。
7億円という金額は特殊でも、700万円、70万円と置き換えれば身近な話になる。知人から紹介された投資話を信用し、最初に利益が出て安心し、その後、損失を取り戻そうとして追加資金を投入するという構図は変わらない。
「自分は騙されない」が一番危ない
亀田氏は最終的に、別の信頼できる人物が相手を調べたことで詐欺被害だと気づいた。しかし相手はすでに自己破産しており、資金を取り戻すことはできなかったという。
今回の告白から読み取るべきなのは、「なぜ7億円も騙されたのか」と笑うことだけではない。
人は信頼する相手には警戒心を解き、一度大きな損失を抱えると、それを取り戻そうとしてさらに深みにはまる。
「自分なら途中で気づく」「自分は絶対に騙されない」。そう考えている人ほど、亀田氏の話を他人事にしない方がいいのかもしれない。










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