約1億8000万円の使途不明金が発覚
北海道共同募金会で約1億8000万円の使途不明金が発覚した問題で、会計を担当していた元事務局長(58)が、問題の発覚を免れるために理事会の議事録などを偽造し、道内の金融機関から計約1億9000万円を借り入れていたことが明らかになった。同会は7月13日付で元事務局長を懲戒解雇し、刑事告訴や損害賠償請求を検討している。
問題は今年2月、札幌国税局が元事務局長に対する所得税法違反の疑いで査察に入り、会計資料を押収したことをきっかけに表面化した。その後の内部調査で、帳簿上の残高と実際の預金残高に大きな差があることが判明した。2020年ごろから必要額を上回る現金の引き出しや、元事務局長が管理していたとみられる口座への送金が行われていた可能性がある。

赤い羽根共同募金HPより
議事録を偽造し約1億9000万円を借り入れ
さらに元事務局長は2025年、理事会の承認を得たように装った議事録などを作成し、金融機関から約1億9000万円を借り入れていた。使途不明となった資金の穴埋めなどによって、不正の発覚を先送りしようとした可能性も指摘されている。
1人に経理を集中させた管理体制
背景には、同会のずさんな経理体制があった。寄付金などの資金管理を元事務局長がほぼ1人で担当しており、多額の資金を扱うにもかかわらず、複数人による確認や牽制が十分に機能していなかったとみられる。札幌市も特別監査を実施し、同会に業務改善を求めた。同会は新たな事務局長の登用や第三者委員会の設置などを進め、再発防止策を検討している。
「赤い羽根」の信頼回復が課題
今回の問題を受け、インターネット上では「赤い羽根の闇」などと批判する声も広がっている。ただ、北海道共同募金会は全国の共同募金会とは別法人であり、今回の不祥事を全国の共同募金活動全体の問題とみなすことはできない。一方で、「赤い羽根」という共通の名称で寄付を募っている以上、全国的な募金活動への信用低下につながる懸念は避けられない。
共同募金は、寄付者が「集められた資金は福祉や地域支援に適切に使われる」と信頼することで成り立っている。一般企業以上に厳格な資金管理と透明性が求められる組織で、約1億8000万円もの使途不明金が生じるまで問題を把握できなかった責任は重い。北海道共同募金会には、元事務局長個人の責任追及だけでなく、なぜ長期間にわたって不正を防げなかったのかを明らかにし、寄付者が納得できる形で管理体制を立て直すことが求められている。








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