福岡県議会で17日、金銭授受疑惑などをめぐる蔵内勇夫議長への辞職勧告決議案が、採決直前の「緊急動議」によって採決されないまま終わった。動議に賛成したのは49人。主に自民党県議団が支えた。
経緯は少し複雑だが、整理すると分かりやすい。

副議長を選んだ直後に「採決中止」
中尾正幸前副議長の辞職で空席になっていた副議長には、自民党県議団の板橋聡県議が47票を得て選出された。
その後、蔵内議長が退席し、板橋副議長が議事を進行。蔵内氏への辞職勧告決議案が提出され、いよいよ採決という場面で、自民党の林泰輔県議が突然「動議」を提出した。
林氏は「第三者委員会の調査結果を待つべきだ」として、辞職勧告決議案の採決中止を要求。この動議に49人が賛成し、辞職勧告決議案そのものは採決されなかった。
つまり、辞職勧告が可決された後に取り消されたわけではない。蔵内氏を辞めさせるべきかどうかを、そもそも採決しなかったのである。
自民党のほぼ全員が賛成
中止動議には、自民党県議団の大半が賛成した。もともと公明党は辞職勧告に賛成する方針で、自民党内にも賛成する動きが出ていたため、辞職勧告が可決される可能性もあった。
その直前に採決そのものが止められたため、傍聴席からは強い不満の声が上がった。
しかも動議を提出した林氏は蔵内氏の元秘書である。林氏は「自分の判断で提出した」と説明しており、事前に蔵内氏側が指示した事実は確認されていない。
それでも一連の流れが、県民から「出来レース」「茶番」と受け止められるのは無理もない。
「反対」ではなく「採決させない」
蔵内氏は、自民党県議団内で、第三者委員会の調査や議会改革に一定のめどがつけば議長を辞任する意向を示している。
しかし、「いずれ辞める」と本人が言うことと、県議会が辞職勧告への賛否を明らかにすることは別問題だ。
第三者委員会の結果を待つべきだというなら、県議一人ひとりが辞職勧告決議案に反対票を投じればよかった。
ところが今回は「反対」ではなく、採決自体をさせないという方法が選ばれた。
その結果、蔵内議長だけでなく、県議たちも自らの賛否を県民の前で明らかにせずに済んだ。
来年の選挙で問われる49人
今回の問題で問われているのは、蔵内氏の進退だけではない。
なぜ49人の県議は、辞職勧告への賛否を堂々と示さず、採決そのものを止めたのか。
議場で避けた「踏み絵」は、来年の統一地方選で有権者から突きつけられることになるかもしれない。






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