日本人移民も海外で現地社会と摩擦の連続だった暗黒史

外国人労働者や移民は日本社会に溶け込もうという努力が足りないという人が多い。そして彼らは、日本人は「郷に入れば郷に従え」という精神で現地社会から歓迎されたのと大違いだという。

とくに、日本人は移民して日本人街をつくっても犯罪の温床などにはならなかったとかいう人がいるが、とんでもない勘違いだ。

また、ついでにいっておくと、外国人労働者は大人になって日本に来て、年を取る前に帰国する人が多い。一般に、子供と老人は税金や社会保障負担などを払うより、国にお世話になるほうが少ない。

たとえば、国民健康保険でも外国人が払う保険料は、病気になって支払われる医療費の数倍だし、年金についても同じことがいえる。

ロサンゼルスのリトル東京――賭博場と違法営業(1900~1920年代)

19世紀末から形成されたロサンゼルスのリトル東京では、日本人移民の男性労働者を相手に賭博場などが営業していた。

  • 1909年には、無許可で酒を提供する飲食店に対する警察の摘発が行われた。
  • 日本人街の商店が賭博組織の隠れみのになっていたと報じられた。
  • 1920年代には日本人経営の賭博場が定着し、日本人移民の家庭で生活費が賭博に費やされるなどの問題が起きた。

この問題は、コーネル大学の研究者による「20世紀初頭のカリフォルニアにおける日本人移民と賭博」という研究でも詳しく扱われている。

リトルトーキョーは今でも「観光客は立ち入らないほうがよい」地域と『地球の歩き方』ではなっている。

カリフォルニアでは、1848年のゴールドラッシュから中国人移民が激増したが、排斥運動が起き、1882年に中国移民排斥法が成立した。その間隙を埋めるように日系人が入ってきた。それ以前にハワイに日系移民が多かったのだが、ハワイが1898年に米国に併合されたので、ハワイから本土に移る者が多かった。そこで1905年から日系移民排斥が始まり、1924年には移民が全面的に禁止された。

日系人が嫌われたのは、低い賃金で働き、低レベルの生活を甘受するので白人労働者の職を奪うというのが最大の原因だが、農地を買い成功する者が多く、土地を奪われると考えられた。また、日本人街を形成し、日本語学校、寺院、商店、同郷者組織などを維持したことが、アメリカ社会に同化しないという批判を招いた。また、写真結婚も異様だと受け取られた。

ブラジルの日系人社会――日本人同士の連続殺人(1946~1947年)

第二次世界大戦の終結後、ブラジルの日系人社会では、日本が敗戦した事実を認める人々(負け組)と、日本の勝利を信じる人々(勝ち組)が激しく対立した。

勝ち組の過激派組織「臣道連盟」は、敗戦を認めた日系人を裏切り者とみなし、暗殺や襲撃を実行した。

1946年から1947年にかけての抗争で、23人が死亡、86人が負傷したとする研究がある。

東南アジアでの日本人売春宿と買春観光

タイ・バンコク――日本人経営の売春宿(1880~1920年代)

1885年ごろからバンコクには、日本人女性を働かせる売春宿が存在した。「からゆきさん」と呼ばれる女性たちだ。早稲田大学名誉教授の村嶋英治氏の研究によれば、1890~1910年代には、日本人経営の売春宿兼ホテルが約4軒あり、20~30人程度の日本人女性が働いていた。

1908年、タイ政府は売春宿などを管理するための法律を施行したが、日本人経営の施設は登録を回避していたとされている。

円安などもあり、最近は、外国で買春をする日本人女性が増え、一般の日本人女性でも入国を拒否されるケースが増えている。

フィリピン・マニラ――日本人向け歓楽街と買春観光(1970~1980年代)

1970年代のフィリピンでは、日本人男性を対象とする買春観光が盛んになった。

マニラの歓楽街には日本人向けの飲食店や接客業が増え、日本からの旅行客を誘致していた。

1980年前後には日本人男性の買春観光が社会問題となり、1981年にはフィリピン人と日本人の女性運動家がマニラで抗議行動を起こしている。

サイゴン在住のからゆきさん Wikipediaより

欧米での留学生の不法就労と日本人のイメージ悪化

留学生はビザの関係で労働時間に規制があるが、日本人が日本料理店で不法就労して、しばしば取り締まられていた。観光ガイドや白タク行為も問題になっていた。日本人は罪悪感を持たずに不法就労する傾向がある。

また、1980年には女性を殺してその死肉を食した「佐川君事件」が起きて、フランスなど各地で日本人のイメージがひどく傷ついた。

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