アゴラ研究所の運営するエネルギー調査機関GEPRはサイトを更新しました。
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1)経済学者の八田達夫氏に寄稿をいただきました。
日本のエネルギーに対する政府による支援策は、原発や再生可能エネルギーの例から分かるように、補助金が多い形です。これはこれまで「ばらまき」に結びついてしまいました。八田氏はこれに疑問を示して、炭素税の有効性を論じています。炭素税はエネルギーの重要な論点である温暖化対策の効果に加え、新しい形の財源として各国で注目されています。
2)「東電「福島復興本社」に期待–地元の不信、不満を受け止めてほしい」
原子力の技術者からの一般投稿。この人は福島の復興、除染に関わってきました。加害者である東電の姿が見えないという、現地の被災者の声を伝えています。東電が本社の機能の一部を福島に移したことで、真の復興が続く期待を述べています。
3)「京都議定書の“終わりの終わり”–国連気候変動枠組み交渉の現場でみた限界点」
提携する国際環境経済研究所(IEEI)の主任研究員である竹内純子さんがドーハで昨年待つに行われたCOP18の参加記録です。京都議定書体制が完全に壊れた事、そして見通せないものの、新しい動きの兆しについて述べています。
今週のリンク
1)「電力システム改革専門委員会報告書」
経済産業省の有識者会議の報告で、13年2月8日に公表されました。電力自由化について、2016年度までに小売り自由化、5-7年後に発送電分離をすることを実現させる工程を提言しています。
ただしそのメリット、デメリットの議論が丁寧に行われたかは疑問です。慎重な検証が国会、政府を通じて行われる事を期待します。
2)「アジアで原発新設100基 日韓ロ、受注競争が加速 2020年で50兆円市場」
日本経済新聞、2月15日記事。アジアの原発建設が急増しています。このビジネスチャンスがある限り、各国政府は原発を止めることはできないでしょう。ただし、リスクがこれまで以上に高まる現実も直視しなければなりません。
3)「原発再稼働、判断の客観性課題 原子力規制委人事が国会承認」
日本経済新聞2月16日記事。国会同意人事である原子力規制委員会の委員が承認されました。残念ながら、国会では委員を呼び、詳細にその見解を聞くという取り組みが行われませんでした。委員会の行動については、活断層認定をめぐる混乱など、合理性なく原発を止めていることに、電力業界から批判が出ていました。
電力中央研究所の研究者、杉山大志氏の論考。同研究所温暖化防止政策ホームページより。
省エネによって、逆にエネルギー消費が増えるという議論が、最近検エネルギー関係者の間で研究されるようになっています。「リバウンド効果」と言います。例えば、20世紀に蒸気機関から電力モーターに動力源が変った後で、エネルギー消費が急拡大しました。その動きを概説した文章です。
5)「東京電力福島復興本社ホームページ」
東京電力のホームページ。福島での同社の動きを伝えています。東電の言う通り「皆さまの苦しみを忘れない、そして必ずこの美しいふるさと福島を再生・復興させる」という誓いの通りのことをするのか。原子力事故の被害者をはじめ、あらゆる立場の人が注目しています。