ポスト田原総一朗は津田大介か荻上チキか?他局の看板を仕事後に連れ出すテレ朝の殺気と本気

常見 陽平

時はきた。それだけだ。

今晩の朝生のキャスティングがすごい。「テーマは激論!参院選と日本の選択」である。田原総一朗と、与野党の議員の他は津田大介氏と荻上チキ氏である。これが何を意味するのか?それは、朝生におけるポスト田原総一朗の候補がこの2人にしぼられたということだ。


まず、最初に私の意見を表明しておくと、田原総一朗氏は、少なくとも朝生の司会を降りるべきだと思っている。彼じゃないと成り立たないという意見もあるが、そもそも番組の終了やリニューアルも視野に入れるべきだと思っている。

番組として、もう機能していないし、田原総一朗氏も司会として機能していないからだ。朝生はテレビ朝日系で放送されているが、同局の『徹子の部屋』のようなものと化していると感じている。徹子の部屋は、結局、徹子の、徹子による、徹子のための番組である。朝生も同様ではないだろうか。番組の使命などは、すでに20年以上前に終わっているように思う。田原総一朗氏も空回りが激しく、逆に置物化している。

そのあたりの意見は、この2つのエントリーにまとめたのでご覧頂きたい。

「朝まで生テレビ!」はいつまで続くのか?https://agora-web.jp/archives/1475699.html

田原総一朗氏が司会を降りる日 今月の朝生は次期司会者公開オーディションであるhttps://agora-web.jp/archives/1531938.html

かといって、他局の討論番組が面白いかというと、そうではない。NHKの『日曜討論』はおっさん同士が互いの存在を確かめ合う、会社の会議と変わらないし、同様に『ニッポンのジレンマ』は存在自体がジレンマである。

そんな中、今回、政治家以外で津田大介氏と荻上チキ氏の2人が出演することは、大きな意味がある。公開オーディションにしか見えないのだ。いや、あくまで推測にすぎないのだが、きっとみなさんもそう思うだろう。あるいは、もはや高齢のために仕切り切れない田原総一朗氏のサポート役ということか。

中でも荻上チキ氏を起用した点においては、テレビ朝日のなりふり構わない姿勢を感じる。荻上チキ氏は今年の4月から、TBSラジオで月~金に放送中の看板番組「Session-22」のパーソナリティ-を務めている。TBSラジオはこの番組について、様々なメディアに広告を出している。魂かけている。プロデューサーも同社のエースとして知られる長谷川氏だ。

他局の看板パーソナリティー、しかも、若手評論家として人気を集める荻上チキ氏を、番組終了後に赤坂から六本木に連れ出すとは。TBSラジオがかわいそうだ。テレビ朝日は、プライドを捨て、勝負に出ている。

ただ、このなりふり構わない姿勢は、1993年4月2日の女子プロレスオールスター戦のセミファイナルで、北斗晶に対して、彼女の必殺技であるノーザンライトボムをはなった神取忍ばりの殺気と本気を感じる。あの約20年前の光景と重なる。

さて、朝生、あるいは後継番組の次期司会という意味でのポスト田原総一朗は津田大介氏か、荻上チキ氏か?目が離せない。録画して、早送りしつつ、激しく傍観することにしよう。

PS 私が意識の高い学生だった頃に朝生を観覧した際の神映像を共有しておこう(http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=n7JXmBdUKto)。11分くらいから吠えている。朝生に出て、大島渚先生ばりに「バカヤロー」と叫ぶのは将来のささやかな夢であるが、その頃、番組はあるかな。