ども宇佐美です。
最近エアロスミスのbig onesを買ったらとてもいいアルバムでした。
さて前々から噂されていた通り臨時国会での冒頭解散が25日の安倍首相の会見によって明らかになったわけですが、その後の展開も含め今回の選挙をめぐる事情があまりにひどすぎて閉口しております。
まず朝日新聞等リベラル界隈で言われている「解散の大義がない」という主張についてですが、これはやっぱり一理あるとは思います。現行憲法下では総理の解散権は積極的に明文で認められたものではなく、あくまで解釈で導かれるものですから、やっぱりその権利を行使するにあたってはそれ相応の必要性について説明責任というものが求められることは言うまでもありません。
他方で安倍首相の会見を見る限り解散の理由と言うものがいまひとつはっきりしなく、ここはご都合主義と批判されても仕方ないところがあるような気がします。ま〜だからと言って野党にそれを批判する資格があるかと言うと、大事な国会審議の時間をなんの中身もないモリカケ騒動に費やしたことを考えると「首相は国会から逃げようとしている」といったところで、「そりゃこの国難にあんな中身空っぽの審議に付き合ってる時間はないわな」という気もするわけで、つまるところ野党に対しては「お前が言うな」と感じざるを得ないところがあります。
日本の国連安全保障理事会の非常任理事国の任期は2017年12月までで、なおかつ12月は日本での安保理開催ですから、本当ならば与野党あげて国連外交をフル活用して北朝鮮の暴発を押さえ込むための議論をしてほしいのですが、それも今の与野党の関係では難しいのでしょう。
そんでもってこのどさくさに小池知事が「希望の党」なる政党を誕生させたわけですが、主要政策が「消費増税延期」「原発ゼロ」とポピュリズム全開で、他方でこの人たちがそれなりの議席を獲得することが見込まれるわけで「あ〜こういう人たちが現れてしまったか」と落胆せざるを得ないとこがあります。
目下日本の国民負担率(税+社会保険料)は43.9%で、他方で潜在的国民負担率(税+社会保険料+国債発行額)は49.4%となっています。プライマリーバランスがマイナスの状況で未来永劫国債発行額を増やし続けるわけにはいきませんから、遅かれ早かれこの差分を埋めていかなければいけないのは明らかなことです。もちろん私とて増税は嫌なわけですが、今一応の長期景気回復局面なわけでここで消費増税しなければ単なる先送りですから、我々やその子供の世代が将来苦しむことになります。
だからこそ三党合意というものがかつてなされたわけで、その辺の事情を十分理解しつつ「消費増税反対」を打ち出して三党合意にフリーライドしつつ一定の議席を確保しようというあたりが小池知事のあざとさで、個人的には嫌悪感を覚えます。原発ゼロにしても将来的な方向性としては異論がありませんが目下の政治情勢を考えると、福島復興の財源捻出、東電の経営維持、再エネ賦課金の負担減、のためにはやはり柏崎原発を動かす必要があるという結論にならざるを得ないところがあります。おそらくは小池知事自身そのことを十分承知しているので「即時原発ゼロ」と言わないのでしょうが、逆にその辺りにも狡さを感じざるを得ません。
そして離党者続出ですっかり影が薄くなった前原民進党ですが、どうやら小沢一郎氏と山本太郎氏が引きいる自由党と合併という話が進んでいるようです。ただこの判断に関しては、あの民主党の分裂騒ぎはなんだったんだろうだとか、中核派との関係が噂される山本太郎と連携していいのかなどとか、多々疑問を感じざるを得ません。前原さんには結構期待していたんですけどね。。。この党はもう終わりなんでしょうか。。。
そんなわけで今回の選挙は本当に修羅すぎてため息しか出ない状況なわけですが、せめて選挙戦に入ったらまともな議論が展開されることを期待しております。。。大丈夫かな〜。。。
ではでは今回はこの辺で
(9/27 18:30追記)
国民負担率を最新の値に修正しました。大意には変更ありません。
編集部より:このブログは「宇佐美典也のblog」2017年9月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は宇佐美典也のblogをご覧ください。