禁煙対象外55%ではやっぱり「骨抜き」法案でも、禁煙店舗は増加していく

こんにちは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

昨日の国会で、とうとう受動喫煙防止法(健康増進法)が可決されました。

この法案はこれまでも繰り返し指摘してきた通り、タバコ販売に既得権を持つ業界団体と守旧派議員による激しい反発により、「客席面積100平米以下の店舗は規制対象外」という内容になったため、禁煙対象外が55%にものぼるというまさに「骨抜き」法案です。

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法案の審議過程においては、喫煙者である議員から信じ難いヤジが飛び出す一幕もあり、個人的にはもはや「一歩前進したので、法案がないよりは良かった」とすら言いたくない結末であります。

こうしたことを考えるに、やはり東京都で今回、規制対象が84%にもなる受動喫煙防止条例が成立したことは極めて大きいと改めて感じます。

しかしながら、古い議員たちと一部業界がどれだけ反対して法案を「骨抜き」にしようとも、時代の流れを止めることはできません。

これから飲食店では法案・条例案の施行を待たずに禁煙化の流れが生じるでしょうし、ある地点を超えたところで一気に状況がひっくり返るのではないかと予測しています。

日本嫌煙党総裁(?!)の永江一石氏も繰り返し主張している通り、店内を禁煙にしたからと言って売上が下がるとは限りません。

むしろまだ「今」であれば、店内が禁煙であることを強みとして、周囲の飲食店との差別化を図ることもできます

こちらは一昨晩伺った、東京都北区・田端駅前に新しくできた焼き鳥店「清志郎」さんですが、店内は全面禁煙となっています。

経営者の方に話を伺ったところ、やはり「焼き鳥&ビールときたら…タバコ!」という観念は根強く、経営陣による話し合いでも喫煙可にするかどうか最後まで迷っていたそうです。

しかしながら、もうそういう時代ではない!ファミリー層なども顧客として積極的に取り込みたい!などの強い想いから、最終的には店内を完全禁煙としてお店をオープンする決意を固めたとのことでした。

おかげで店内の空気は非常に清潔、美味しい焼き鳥を気兼ねなく味わうことができました。

まだまだ私の地元・北区にも「店内全面禁煙」となっている料理店・居酒屋は少なく、こうした経営判断を行う店が登場したことは素直に嬉しく思いますし、時流を見据えたその判断は必ず成功につながると確信しています。

お近くにお住まいの皆さま、北区内・田端駅周辺で食事を考えている皆さまは、ぜひ応援代わりに来店してあげてくださいませ。

本格炭火焼鳥 清志郎

一方でいつもの主張の繰り返しになりますが、屋外喫煙所を整備するなどして、喫煙できる環境をできるだけ整えていくことも重要になります。

そのあたりは非喫煙者の方々にもご理解いただきつつ、皆さまもマーケットの原理から受動喫煙防止環境が整うよう、しかるべき店での消費によって後押しをしていただければ幸いです。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は東京都議会議員、音喜多駿氏(北区選出、かがやけ Tokyo)のブログ2018年7月18日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおときた駿ブログをご覧ください。