アメリカ人をはじめ、世代を切り取った時に何かと話題になるのはミレニアル世代やジェネレーションZですが、ベビーブーマー世代(主に1946~1964年生まれ)も経済の大切な担い手です。
トランスアメリカ・センター・フォー・リタイアメント・スタディーズの調査によれば、ベビーブーマー世代の66%が65歳を超えても労働に従事する、あるいは既に勤務中と回答していました。その結果、ベビーブーマー世代を含む中高齢者の失業率は低下傾向をたどり、就業率や労働参加率は高止まりしています。
ただし、問題は働き口の質です。
シュワルツ・センター・フォー・エコノミック・ポリシー・アナリシス(SCFEPA)は4月に公表したレポートで、ベビーブーマー世代など中高齢者に提示される職につき、低賃金の割合が大きくなりつつあると指摘します。2015年までの過去10年間で、「望ましくない職」に就いているのは4人に1人に増えたのだとか。SCFEPAが定義する「望ましくない職」とは、以下の通り。
1)年収1.5万ドル以下
2)不定期型労働
3)派遣、契約社員
4)単発受注型の労働(独立事業主を除く)
62歳以上で「望まない職」に従事する割合は、シェアリング・エコノミーの普及などを一因に広がりをみせ、2005年の14%から2015年には24%へ上昇していました。
ベビーブーマー世代を含む中高齢層がより質の高い職を確保する上で、キャリアカウンセラーは 1)ITに精通している点をアピールすべき、2)リンクトインを活用すべき――と提案、事態の打開を図るように促します。確かに、ニューヨークに住む60歳近い女性も「仕事探しは、まずリンクトインのアップデートから」と話していましたっけ。リンクトインの充実を図ることが明暗を分けるというのは米国ばかりで、日本では地道な職探しが一番の近道なんでしょうけどね。
(カバー写真:Guillaume Seguin/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2018年7月23日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。