生きるコストの低下と、こだわりの上昇の時代に

井上 貴至

先日(2月19日)のAbemaTV、面白かった。

高校・大学の後輩の神明竜平君をゲストに迎え、同じく大学のゼミの後輩のリディラバの安部敏樹、デヴィ夫人、漫画家の峰なゆか氏などがクロストーク。

AbemaPrime 2019年2月19日OAより:編集部

貧乏になりたい!という神明君に対し、「貧乏ごっこ」「世界を見てないからそんなことが言える」という厳しい突っ込みや、「神明はお金は追ってなくてもロマンは追っている」などのフォローもあり、お金や生き方について考えるきっかけになった。

⇒ 詳しくは、しんめいPのNOTE

生きるコストの低下

今の日本は、昔と比べて明らかに生きるコストが低下している。

例えば「食糧
江戸時代では赤子の口減らしや姥捨て山も珍しくなかったが、今の日本では餓死をする人はほとんどいない。

交通
徒歩やせいぜい馬くらいしかなかった江戸時代は、お伊勢参りに1か月以上かけていたが、今では日本全国からおよそ半日もあれば伊勢神宮に行くことができる。


江戸時代は動物の毛や皮、植物を加工し、そもそも入手が難しいときもあったが、今では誰もが科学繊維のヒートテックを安価に手に入れることができる。

知識
かつては一子相伝で長い時間をかけて学んだものが、今ではインターネットで簡単に学ぶことができる。

おそらく、今後、AIやロボット技術が一層普及すれば、「医療・福祉・介護」のコストも大幅に下がってくるのだろう。

こだわりの上昇

一方、モノがあふれるとともに、こだわりも強くなってきた。例えば、ブロイラーの卵ではなく、土佐ジローの放し飼いの卵をその日のうちに。あるいは、飛行機もエコノミーではなく、ファーストクラスやプライベートジェットというように。

かつてはみんなが等しく貧しかったが、今はそうではない。こだわればこだわるほどお金も指数関数的にかかる。

そうした時代を楽しく生きていくためには、大きく3つの方向性があるのではないか。

(1)こだわりを満たすためにしっかり稼ぐ
(2)やりたいこと(社会貢献も含めて)を追求する。
(3)家族や共同体とともに笑って、感謝して暮らす

もちろん、(1)~(3)は一つしか選べないものではなく、これら全てを求める人もいるだろうし、ライフステージによって重点が変わることもあるだろう。

しかし、大事なことは、(1)~(3)の全てが、一朝一夕では築けないということだ。だからこそ、それぞれの価値観を尊重しながら、家庭や地域、教育などの環境を整えることが大切だと思う。

生きるコストの低下と、こだわりの上昇の時代に、あなたはどう生きますか。

<井上貴至 プロフィール>


編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2019年3月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。