日経の交遊抄という名物コーナーがあって、そこで恩師、榊原清則の話をしました。
記事でも触れましたが、先生はゼミの学生たちが大企業に行こうものなら「君たちはそんなリスクを取らない人生で良いのかね」とガッカリした顔をし、学生ベンチャーをやっていた僕らを「やるじゃないか」と褒めてくれるような、イノベーション愛の激しい、相当風変わりな先生でした。
彼は学生にイノベーションと挑戦の重要性を語るだけで無く、当時、お金も無くて学生ベンチャーを経営していた僕は、友人とルームシェアをしていたのですが、そこで一緒に暮らしてくれ、家賃も負担してくれました。
当時、就活偏差値の高い外資系コンサルや金融系に行かず、学生ベンチャー→フリーター→NPOというリスクだらけの人生を歩んでいた僕は、レールから外れた恐怖と孤独で、イキりながら内心はガタガタ震えていました。
その時に、先生からの励ましが、どれだけ心強かったか。
あれから16年。僕が社会の課題解決のために常にリスクを取って挑戦し続けられるのも、あの時身をもってイノベーションの意義を教えてくれた、恩師によるところが大きいと思います。
日経でお礼代わりに師を紹介すると共に、今度は自分が若者たちに、挑戦とイノベーションの意義を身をもって伝えられる存在になっていきたいと思います。
ありがとう、先生。
編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2019年7月8日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。