7月27日アゴラに掲載された国民民主党・玉木代表のブログ「改めて、憲法改正について」を拝読した。党の方針も具体的に表明されており誠に旗幟鮮明、信念をもって大いに議論を推進して頂きたいと思う。
玉木代表に感じるのは、各党党首の中では、一番論理的な意思疎通が出来る人物ではないかということだ。与党に緊張感を与える野党の不在が逆に与党の緩みをもたらしていると言われるが、これから大いに存在感を発揮して欲しい。
玉木代表への3つの期待
アゴラに玉木代表のブログ記事が転載されているためか、逆にこちらの声も玉木代表に届く可能性を感じる。そこで論理的なコミュニケーションが可能な玉木代表に、一国民として期待している3つの願いを表明する。
期待1:憲法改正議論推進
憲法改正は日本の重要課題なのに、これまで議論さえも進んでいなかったのは残念な事であった。「議論の結果、1文字も変わらない」という結末であればそれも受け入れるが議論自体を阻止するという一部野党の手法は全く許容できない。
先の参議院選挙の結果、メディアがいうところの「形式的」改憲勢力が三分の二に達しなかった。そのため与党は野党側の話を聞かざるを得なくなったので、憲法改正議論を党の方針として掲げる国民民主党の存在意義が相対的に大きくなった。大いに議論を推進して欲しい。心から期待している。
期待2:モリカケ追及を総括
玉木代表は「改めて、憲法改正について」の中で、次のように表明している。
私自身、何度も質問に立ち、モリカケ問題における公文書偽造など権力行使の問題点を浮き彫りにしてきた自負があります。
安倍総理が公文書偽造したのだろうか?
偽造したのはメディアと野党の追及に怯えた官僚だったはずだが、あれだけの時間を使って大騒ぎして、国政を遅滞させながらこれしか追及できなかったとしたら、働きが少なすぎて全く理解できない。自負があるならその意義をもっと深く説明して頂きたい。もし「過ち」を感じているのであれば改めることで信頼度は逆に上がるだろう。もっと深く掘り下げた総括を期待する。これは最低限のけじめである。
期待3:篠原孝議員による原英史氏非難の事実調査
現在、篠原孝衆議院議員(国民民主党、長野1区)がブログで原英史氏を誹謗中傷している。これに対して原氏自身がFacebookとアゴラにおいて抗議している。(「毎日新聞記事を真実と断定:篠原孝・衆議院議員のブログに抗議する」アゴラ7月31日)
筆者は毎日新聞による著しい虚偽の報道に憤っている。毎日による一連の報道と原氏および他戦略特区委員諸氏の論説を詳細に追っている者として、少なくとも下記各点は事実ではない可能性が高いと考える。(詳細は原氏の一連の抗議をご参照)
根拠不明な18の主張
以下の18項目は、篠原氏のブログ上で原氏他を非難する主張の一部である。しかし主張の根拠が省略されているものが多く、根拠が明示されていても、欺瞞的紙面作りが発覚している毎日新聞の記事であったりする。納得感の高い根拠があるならば、私も強く興味があることばかりなので是非ともお知らせいただきたい。一方、もし妥当な根拠を提示できないのであれば、原氏への名誉毀損の可能性が高い。
ちなみに筆者は原氏の説明に誠と妥当性を感じる者であり、下記各論点の信憑性は極めて低いと感じている。
- 国家戦略特区は安倍政権による新たな「利権」を生むだけ
- 「政僚」原英史の跋扈
- 八田・原コンビの悪弊が目立ち始める
- 総理という虎の威を借りて官邸に巣食う政僚と利権に走る学者、業界が、欲しいがままに新しい「利権特区」を生み出し始めた。
- 「規制改革」や「国家戦略」という耳当たりのいい美名のもと、一部の企業を特別待遇しているにすぎない。
- 八田達夫政策研究大学教授と原英史ワーキング・グループ(WG)委員の利権コンビによるいかがわしい政策作りが行われている
- 加計学園絡みでもWGとは名ばかりでほとんど2人で切り盛りし、それこそ独善的に物事が決められていた。そのやり口は、公正にはほど遠かった。
- 自分の仕事を官邸で作り上げる
- 原と協力関係にあるコンサルティング会社が福岡市の規制緩和の提案を検討していた美容系学校法人から200万円のコンサル料を受け取ったという。
- また、同学校法人副理事長と原は、法人が負担し料理屋で会食も行っている。
- WGで真珠養殖業の規制緩和の場合をみると、要望した真珠販売会社に原の方から自身の関係する上記のコンサルティング会社を紹介した。
- 水産庁を呼びつけ、脅かし上げて規制改革とやらを迫る形で、特定の企業への利便を広げている。
- 正義の味方のふりをし、悪辣なことばかりし、自分の懐を肥やしている。
- とても民主主義国を標榜する国の政策決定とは思えない乱脈ぶりである。私は安倍政権の問題点は多々ある中で、これが最も危険で重大な問題だと思う。
- 公平だとか、岩盤規制を取っ払ったとかいう綺麗事を並べて同じことを繰り返している。
- 調子に乗った官邸の〇〇会議の委員までもが同じことをしだし、制度自体が恣意的に運用されるままになっている。
- 明らかな利益相反(利害関係者が決定に関わっている)である。
- 主目的が政府の政策変更に伴う対応に口を聞き、コンサルタント料を稼ぐ昔の利権政治家まがいの利権学者、利権有識者の跋扈を許してしまっている。
(以上、篠原孝氏のブログ2019年7月17日より抜粋)
以前から「篠原氏の非難は事実に基づいていない」と原氏が指摘していたが改善されなかった。そこで、国民民主党としてこの件に関して調査を行い、その調査結果を公表して頂きたい。仮にそこで誤りが判明したならば然るべき対応を期待する。
玉木代表は、若くて頭脳明晰な政治家だと感じる。これまでの「迷走」も今後の政策に生かされるならば無駄ではない。国政と党のマネジメントに、リーダーシップを期待している。
今こそ、「私は生まれ変わった」という決意を具現化するチャンスのときである。
田村 和広 算数数学の個別指導塾「アルファ算数教室」主宰
1968年生まれ。1992年東京大学卒。証券会社勤務の後、上場企業広報部長、CFOを経て独立。