小池知事、政府に「緊急事態宣言」要請をして下さい

昨日(3月27日)、想定外のことが発生した令和2年第1回定例会が終わりまして、自由を守る会代表として、想定外の事態となった本定例会を振り返ってみました。

後手に回った新型コロナウイルス感染症対策

本定例会において、新型コロナウイルス感染拡大問題が急浮上している中、施政方針演説、代表質問・一般質問が行われました。大都市東京の児童・生徒を守るため、感染者の有無が確認される前に都教委も休校に舵取りをして欲しく、政府支持を待つのではなく都の率先した対応を求める会派がいることを期待したのですが、残念ながら最大会派都民ファーストを筆頭にどの会派も、全校休校の判断を求めるには至りませんでした。

そこで、2月27日午前、私は自由を守る会代表として、休校を求める緊急請願を小池百合子知事と藤田裕司教育長に提出したところ、同日夕方に急転直下で内閣総理大臣が全国小中学校休業要請を公表。元都職員である鈴木直道北海道知事が堂々「政治判断は結果がすべてなので、その結果責任は知事が負います」と表明した一方結局、小池知事は自ら「東京の子ども達をどうするか」率先した指針も示されず、休校においては「遅いくらいだ」と政府と総理を皮肉るような発言をし、都独自の対策も方針も示すこともありませんでした。

しかし、オリパラ延期の方向性が明らかになってきた3月23日記者会見で突如として「首都封鎖ありうる。オーバーシュート発生か否かの分かれ道」、3月25日は今更ながら「感染爆発の重大局面」「週末の外出自粛要請」を言い渡したのです。連日感染者が急増している中、会見の翌日、当然のことながら都内では食料品・日用品を買い求める都民がスーパーマーケットに殺到する大混乱に陥りました。

知事権限には限界があるから政府へ要請を

首長は、リコール制度と個人の賠償責任を負っており、執行責任を取れる範囲を超えた判断を渋る気持ちもわからないでもありません。もちろん、そもそもの特措法のしくみからすれば、都道府県知事になんら権限はなく、あくまでも緊急事態宣言を発令するのは政府であり、それを受けて動くのが知事であることは言うまでもありませんが、小池知事は他の知事より増して、総理と直接会談する機会が何度もあったわけですから、地方自治体が地域住民を守るために欧米並みの厳しい措置を講じられるよう日本の首都の「ガバナー」として「緊急事態宣言」を求めるべきでした。

これまで、知事が何に忖度し、ここまで対策・対処の先延ばしをしてきたのか不明ですが、都民の命や健康ではなかったことだけは確かであり、私は遅きに失したと断言致します。

今からでも遅くありません、自粛要請をした今週末を前に強く「緊急事態宣言」政府に要請頂きたい、心からお願い申し上げる次第です。

有事を想定しなかった予算案には反対

コロナ問題が深刻化する直前の1月24日に令和2年度予算案が発表されましたが、私は巨額の財政需要の前に早急に借金を返し、地に足をつけて既存事務事業の確実な遂行をすべきと知事の財政運営に強く苦言を呈しました。

オリパラ延期とコロナによる経済損失により来年度の法人2税の激減は確実だというのに、オリパラ景気を見込んだ過去最大の「溢れんばかりの贅肉をつけた」15兆4,522億円予算のツケを回されるのは、知事の判断が後手にまわったことにより感染症の脅威にさらされ、日々の生活に大きな制約を受ける都民なのです。

コロナ問題が急浮上する前から私は、不要不急に思える420にもわたる新規事業は、小池知事の2期目当選に向けたアピールが自己目的化していないか指摘していたところです。

令和2年東京都予算案に苦言を呈します

世界を巻き込んだ未曽有の「国難」は、残念なことに都の財政をも直撃することでしょう。相変わらず都債を2084億円も発行し、到底「ワイズスペンディング」と思えぬ令和2年度一般会計予算、先人が築き特別区と調整をしながら運用してきた「特別区財政調整制度」をその意向に耳を傾け、熟議せず交付基準の変更を独善的に進めた令和2年度東京都特別区財政調整会計予算。

入札談合・交際費の不適正使用等の不祥事が後を絶たない上に、小池知事の私設秘書であった野田数氏を、血税で賄われる特別秘書に任用した後に、血税が流れる都の外郭団体東京水道㈱の社長に推挙した点に大きな問題意識をもって令和2年度東京都水道事業会計予算に反対するものです。

引き続き野田数社長においては公営企業委員会への招致を求めて行く所存です。

冷静な行動のお願い

お姐の故郷台東区の病院での集団感染、第二種感染症指定医療機関の総合病院の院内感染も明らかになっております。
都民区民の皆様も不安でいっぱいだと思いますが、まず落ち着いて、買いだめに走らず、手洗い・うがいの励行、以下の3条件の回避をなにとぞよろしくお願いいたします。

(1)換気の悪い密閉空間
(2)多くの人が密集
(3)近距離での会話や発声

東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト
江戸川区新型コロナウイルス感染症サイト

そして小池百合子東京都知事からも皆様にお願いしておりますよう、週末の外出の自粛を何卒お願いいたします。

ことに若者の皆様へ

あなた方も重症化することがありうるのです

イギリスでは19歳の若者が亡くなっています

▼記事
イギリスで21歳女性が死亡、「基礎疾患なかった」 新型コロナウイルス(BBCニュース)

これまでは、若年層は発症せず親や祖父母へ感染させてしまうかもしれないから行動を自粛しなさいと言われたかもしれません。

しかし、今の東京もこの英国の若者のように命の危険性に晒されていることを是非ご自覚下さい。

都議会庁舎(Wikipedia)

お姐総括!

定例会最終日は、知事は全会派に挨拶に回られます。
一人会派の自由を守る会控室にもおいでになりました。
さすがにお疲れのご様子でした。

お姐は、私怨で指摘をしているのではないのです。うるさい議員がいるからやらなきゃならないと、都民のために動いていただけるよう、これまでも是々非々で先んじて提言させて頂いてきております。

前述したように何の権限も与えられない中での都道府県知事の新型コロナウイルス感染症対策は、困難を極めただろうと拝察します。ましてや日本の首都東京都知事の背中にかかる責任の重さは想像をはるかに超えてます。

ですので、小池知事も思っていても口に出せないだろう、そして全国の道府県知事も切望しているであろうこととをお姐は言わせてもらいます。

小池知事、政府に「緊急事態宣言」を都民の命と健康と、生活と、財産を守るために至急要請をお願いします!

これぞ、花のお江戸の一大事! 小池知事が都民最優先に機動的に動けるよう、お姐ならではの応援・協力をさせて頂く所存です。


編集部より:この記事は東京都議会議員、上田令子氏(江戸川区選出)のブログ2020年3月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は上田氏の公式ブログ「お姐が行く!」をご覧ください。