「政策・公約をつくる」という作業・頭の中身をブレイクダウン(分解)してみる

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

夏の間に政権公約マニフェスト(≒衆議院選挙に向けた党政策集)をつくる!とぶちあげてしまったため、連日議員会館でコツコツと政策を書いています。

たまたま今年の夏は、残念なことに式典や夏祭りがほぼありませんしね…。

議員の中では「政策族」「政策通」などと呼ばれる政策を勉強する・書くのが好きなタイプと、「そういうのは官僚や秘書に任せておけば良い」というタイプに別れまして、私は地方議員時代から前者の方だと思います。

これまで個人・党を問わず数多の政策を書き続け、まだまだ未熟ではありますが、それなりに幅広い分野に対応できるようにはなってきました。

ので、自分がどんな思考回路で政策を作っているのかちょっとだけ分解して整理してみようと思います。

(例)
「所得税法を改正し、学資金だけでなく保育にかかる費用について原則非課税とし、地方自治体からの子育て費用の助成を促進し、直接給付を重視する方針への転換を図ります。」

例えばこの政策(案)。こういう箇条書き+αみたいな文章が、政党や政治家の公約集にはたくさん並んでいると思います。

こうした政策を書くときは例えば

・解決すべき課題は何か
・それはどんな施策を、何をもって行うべきか
・実行主体は国か、地方自治体か
・その施策によってどのような効果が期待できるか

などを考えます。上記の政策の場合、

・解決すべき課題は何か
→子育てにかかる負担が大きく、課税措置も残っている。箱物への偏在助成も問題だ

・それはどんな施策を、何をもって行うべきか
→国においては法改正が必要で、自治体には予算措置が必要だと考えられる

・実行主体は国か、地方自治体か
→法改正は国なのでシンプル。費用助成は自治体であり、我々は国政の立場なので「促進」という表現をチョイス

・その施策によってどのような効果が期待できるか
→子育て当事者への負担軽減と同時に、直接給付に転換への意識付けができるはずだ

という思考プロセスを経て、上記の政策文章がアウトプットされます。

「促進します」「図ります」「講じます」など、主体や意味合いが微妙に異なるので、おそらく官僚ほどではありませんが我々も表現にはこだわっていたりします。

当然、ゼロからフリーハンドで作るわけではないので、過去の公約や議員たちの国会質疑などにもあたり、政策の整合性などにも気を使いながら一つ一つの政策を書き上げていくわけですね。

以上はあくまで私の場合なので、先輩議員たちにはもっと深く・早く政策を考えられる海千山千のツワモノがぞろぞろいます。

こうした方々に一刻も早く追いつき追い越せるよう、思考を深化させアウトプットを磨いていく夏にしたいと思います。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年8月3日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。