行政など中の人が潰れないと思っている組織では、「止めること」がとにかく苦手だ。
日本的な年齢序列社会で、事業と人格が一致して捉えられる場合には、「止めること」は、ともすれば先輩を否定することと捉えられてしまう。
また、始めること、増やすことが評価されやすい中、「止めること」、減らすことは評価につながりにくい。
”優秀な”人は、優秀であるがゆえに、その組織や事業の使命が終えたことは十分わかっているが、先輩や上司を忖度し、延命を図る。必要でない事業や法律を新たにつくり、それなりの理由を整理して、関係者と調整する。
しかし、人材や財源などのリソースは有限だから、真に人材や財源を求めているところに配分した方が望ましいことは言うまでもない。(ただし、潰れないと思っている組織ではリソースは有限と認識されていないこともある。)
だからこそ、リーダーの最も重要な役割は、止めるときに「止めること」だ。
編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2020年8月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。