トランプ陣営、民主党正副大統領候補のニックネームを決定!

さすがトランプ陣営、こういう仕事は本当に早いです。

(カバー写真:Gage Skidmore/Flickr)

(カバー写真:Gage Skidmore/Flickr)

何かと申しますと、民主党のバイデン氏が11日、カマラ・ハリス上院議員(55歳)を副大統領候補に指名した件です。
時を置かずして、早速お2人への口撃キャンペーンを展開しています。
民主党支持者が「パンデミックでの対応がこうだったら良かったのに」と皮肉をぶつけるほどのスピードです。

あっという間に仕上げたキャンペーンにて、トランプ大統領お得意のニックネームを初披露しました。

バイデン氏に対しては、これまでの「居眠りジョー(sleepy Joe)」から「のろまなジョー(slow Joe)」に刷新。
韻を踏んでいて、呼びやすいと言えば呼びやすいですね。

気になるハリス氏にどんなニックネームをつけたかというと・・。

その前に、ハリス氏という方についておさらいしていきましょう。
同氏は元検察官であり、カリフォルニア州で初の女性司法長官に就任したという輝かしいキャリアを歩んできました。
またジャマイカ系のエコノミストの父とインド系のガン研究者の母をもち、夫はユダヤ系と多様性の権化のような方です。
何より女性であり、ある意味では全方位で支持獲得に有利な理想的な候補と言えるでしょう。

そんなハリス氏のニックネームとして、トランプ側は「いんちきカマラ」を授けました。
しかも巨額の増税と国民皆保険を主張する「極左(radial left)」と糾弾し、バイデン氏はプログレッシブへの禅譲を狙った「移行時の候補(transition candidate)」つまりリリーフに過ぎないなど、わずか約30秒の間に言いたい放題です。

(出所:Donald J. Trump/Twitter)

(出所:Donald J. Trump/Twitter)

バイデン=ハリスの正副大統領候補の2人に「極左」のレッテルを貼る戦略に打って出たトランプ陣営に、こんな援軍も登場しました。

ニューヨーク・ポスト紙は早速、ツイッターで以下の「明日の一面」としてこちらを掲載したのです。

(出所:NY Post/Twitter)

(出所:NY Post/Twitter)

KAMRADESという単語は、ございません。ハリスのファーストネームのカマラをもじり「comrade=同志」と掛けたんですよ。
その心は、こちらでご紹介したクライム・ロースリー・ストライクス法。そうです、バイデン氏は米上院司法委員会委員長として同法を起草し、成立に多大な貢献を果たしました。いわばライターであり、コントリビューター。

代わってハリス氏は検察官、つまりエクセキューターということで「同志」という痛烈な皮肉なのですよ。NYポスト紙は、トランプ大統領が初めて海外取材の受けた際に隣席していたというルパート・マードック会長率いるニューズコープ傘下ですからね。

週17日から20日までは民主党大会が開催され、バイデン氏はウィスコンシン州ミルウォーキーの会場に姿を現さず、リモートで受諾演説する予定です。早速トランプ陣営からの猛攻を受け、どんな反撃を展開するのか。今から楽しみです。


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK –」2020年8月12日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。