米国のようにならないように!科学的データに基づく対策を

シカゴ市では依然として厳しい行動制限が課せられている。たとえば、日本のシカゴ領事館から送られてきたメールには下記のように書かれている。

「自宅待機勧告」(Stay-at-Home Advisory)の内容

・仕事や通学、または医療を受けるため、食料品店や薬局に行くため、テイクアウトの食品や配送品を受け取るためなど、必要不可欠な場合のみ外出するようにしましょう。外出する場合は、他の人から6フィートの社会的距離を維持し、常にマスク等の顔を覆うものを身につけましょう。

・信頼できる家族や友人などであっても、同じ世帯でない人と家に集まらないようにしましょう(在宅医療従事者や教育者などの必要なスタッフを除く)。

・ 伝統的な祭日のお祝いを中止しましょう。

・必要不可欠でない旅行を避けましょう。

レストランやバーにおける屋内サービスの継続的な閉鎖

・すべてのレストランとバーは屋内での食事とサービスを一時中止しなければなりません。

・敷地内で飲食するすべての顧客は、屋外テーブル(外気を取り入れるため半分以上開放された壁から8フィート以内に置かれたテーブルを含む)に着席する必要があります。

・テーブルの間隔は少なくとも6フィート必要です。

・グループ人数は1卓6人を超えることはできません。

クリスマスやお正月のパーティーも自粛だ。バケーションも取らないようにとのお願いだ。この時期のシカゴで、屋内での会食は禁止、屋外で着席するようにというのは、実質的に禁止に等しい。今日の最高気温はマイナス7度だ。夕方になるとさらに冷え込み、風が吹くと体感気温マイナス20度近くなる。目の前のステーキが凍り付いてしまう中で誰が外食するのか?手足は凍てつき、津軽海峡冬景色の中にいるようだ。

イギリスからの変異ウイルスがすでに入っている。入っていないと考えていた思考力が信じがたい。これまで、2倍、4倍、8倍、16倍、32倍、64倍、128倍となって広がっていた感染が、3.4倍、11.6倍、39.3倍。133.6倍、454,4倍、1545倍、5252倍の速さで広がることを意味する。わずか1.7倍ではなく、恐ろしい速さで広がるのだ。もし、このウイルスがすでに一定の割合で存在するならば、今のままの対策では惨劇が生ずる。

昨日の記者会見を聞いていても、国としてどれだけの危機意識を持っているのか疑問だ。今日の東京のコロナ感染者数は949人だ。この数字の上がり方を考えれば。危機管理として、この変異ウイルスがどの程度広がっているのか至急調査すべきだ。言霊主義ではなく、科学的なデータに基づく対策が必要である。


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2020年12月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。