年末恒例、アゴラ編集部が振り返る今年の訃報ニュース。2020年の3回目です。(①はこちら、②はこちら)
三浦春馬さん 俳優 享年30歳 7月18日、自宅マンションで自死
人気、実力ともに備え、仕事も順風満帆に見えた若手俳優の突然の死に、日本列島が涙に包まれました。あまりの衝撃の大きさから、憶測に基づいてセンセーショナルな報じ方をするメディアも相次ぎ、自殺報道のあり方が問われました。また、残された家族や、大切な人を自死で失った人へのケアについての発信も見られました。
元教員の作家、愛川晶さん
亡くなった三浦春馬さんに関する一部週刊誌の記事は目に余り、読んでいて強い怒りを覚えた。
(中略)
死者にもプライバシーはあるはずだし、いくら家庭環境が複雑だといっても、それが自殺の原因かどうかなど他人にはわからない。読者の興味を煽りたいのだろうが、悲しみにくれているご遺族をさらに奈落の底へ突き落とすような行為は非人道的である。
(出典:アゴラ「自殺の連鎖を止めるための14年前の教訓:マスコミは冷静な報道を」9月28日)
「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子さん
身近な人が自殺すると、残された人たちに何が起きるか?それは関わりのあった人達がいっせいに自分を責めてしまうのです。
(中略)
ご家族やご友人がご自分を責めているようだったら「あなたのせいじゃない」と伝えてあげて下さい。
「何か変わった様子はなかったか?」などと、決して問い詰めないで上げて下さい。
(出典:アゴラ「大切な人を自殺で失った時、残された人たちに何が起きるか?」7月20日)
李登輝さん 元台湾総統 享年97歳 7月31日、台北市内で死去
台湾の民主化に尽力し「台湾民主化の父」と敬愛された李氏は親日家としても知られていました。台湾との外交活動に精力的だった政治家たちからは、生前の李元総統の人物の大きさに圧倒された思い出を次々に語りました。
自民党の長島昭久衆議院議員
7年前、ご自宅にお招きいただき3時間半にわたり直接ご指導賜った夢のようなひと時は、忘れ得ぬ思い出です。台湾民主化の父であり、終始日本国民を鼓舞してくださった李登輝先生に感謝と哀悼の誠を捧げます。
(出典:アゴラ「台湾の巨星墜つ…李登輝元総統死去に日本でも悲しみ」7月31日)
石破茂氏
齢90を過ぎてもなお世界政治について、今後の日台関係について長時間お話しくださいました。「哲人政治家」の名があれほど相応しい方も居られなかったと思います。御霊の安らかならんことをひたすらお祈り申し上げます。
(出典:「李登輝先生ご逝去、投票義務化など」8月1日)
アゴラきっての台湾通、高橋克己さんの取り計らいで、李登輝氏の貴重な講演録も掲載されました。
新渡戸稲造先生と私(上) — 李 登輝 アゴラ10月9日
新渡戸稲造先生と私(下) — 李 登輝 アゴラ10月10日
西川善文さん 三井住友銀行初代頭取、日本郵政元社長 享年82 9月11日死去
「ラストバンカー」「不良債権と寝た男」など、数々の異名をとり、ドラマ「半沢直樹」を地で行った銀行マン。大手銀行が相次いで経営破たんした未曾有の金融危機に直面しましたが、強力なリーダーシップでさくら銀行(前身は三井銀行と太陽神戸銀行)と住友銀行の合併(現・三井住友銀行)を成功させました。
石油ショック、円高津波、バブル経済とその崩壊、日本経済が直面した難局に果敢に挑戦し、もみくちゃになりながら熱血のバンカーとして名を残した。
(出典:週刊エコノミストonline「『ラストバンカー』西川善文・元三井住友銀行頭取の光と影 日本郵政社長就任は失敗だったのか」9月30日)
ルース・ギンズバーグさん アメリカ連邦最高裁判事 享年87 9月18日、膵臓がんのため死去
米最高裁史上二人目の女性判事で、リベラルを中心に、女性や若者から絶大な支持を集める存在でした。ミドルネームのベイダーを入れた頭文字「RBG」のニックネームは、世代を超えて長くアメリカのポップアイコンとして愛されました。米大統領選の直前ということもあり、後任人事にも注目が集まりました。
産経新聞ワシントン駐在客員特派員で麗澤大学特別教授の古森義久氏の解説
米国のトランプ大統領が、病死した最高裁のルース・ベイダー・ギンズバーグ判事の後任として、エイミー・コニー・バレット判事を9月26日に指名した。この指名により、トランプ大統領は11月の大統領選に向けて有利な材料を得る見通しとなった。
バレット判事は48歳の女性で、ギンズバーグ判事がリベラル派だったのに対し、明確な保守派である。人口妊娠中絶、銃砲規制、国民医療皆保険、違法移民対策などで共和党やトランプ政権の考えに近いことで知られる。
(出典:アゴラ「最高裁判事新指名でトランプ陣営が有利になる3つの理由 」9月30日)
竹内結子さん 女優 享年40 9月27日、自宅マンションで自死
多くのヒットドラマや映画に出演、プライベートでは再婚し、今年1月に第二子を出産したばかり。幸せの絶頂にいると思われた美人女優の突然の自死は、コロナ禍で沈む世情に大きなインパクトを与えました。各メディアがこぞって、見た目の美しさだけでなく、明るく芯の強い女性であることを示すエピソードを取り上げ、生前の人柄を偲びました。
元リクルートの常見陽平さん
これだけは言わせてほしい。あの頃の竹内結子さんは輝いていた。びっくりするくらい美しかった。とらばーゆ編集部は人生において最悪の職場の一つだったけれど、いや、そういう心理だったこともあってか、とらばーゆの表紙の竹内結子さんは一つの希望だった。
(出典:アゴラ「竹内結子さんのこと」9月27日)