格安スマホの加入手続きでドコモに怒り

中村 仁

菅首相は自ら体験したらよい

菅首相自慢の携帯電話料金の大幅引き下げ、マイナンバー・カードを使った納税申告(Eタックス)の推奨など、日本の情報システム、デジタル化も少しづつ国際標準へと改善に向かっています。

私も自分で手続きの作業をしてみますと、これらに不慣れな世代は頭に怒りがこみあげてくることが多いか分かりました。菅首相、平井デジタル相にはご自分で情報処理を体験してもらいたい。

Pornpak Khunatorn/iStock

菅首相が強力に推進した携帯電話料金の大幅値下げは、利用者から歓迎されています。「ahamo(アハモ)」というオンラインで加入手続きをするシステムが新設され、私もこちらに切り替えることにしました。

先行予約してあり、いよいよ本契約の手続きが始まるというので、先日、データを入力をして送信したところ、スマホの画面が突然、ダウンしました。「ネットワークに接続していません。設定を確認して下さい」の表示です。何度かあれこれトライするも、すべて失敗です。

地元ドコモショップに駆け込むと調べてくれ、結局「あなたのスマホの機種が古く、アハモとの本契約が成立せず、その影響でダウンしたようです。アハモは全てオンラインで処理することになっていますので、ここから先はドコモショップは対応いたしません」と。

「オンライン処理のことは知っている。なぜスマホがダウンしたのか、その理由を知りたい」「それはアハモに聞いて下さい」「ドコモもアハモの同じ会社ではないか」「いや別々に対応することになっています」。

「困ったな。では新しい機種を買えば、解決するのか」「いや、新機種はアハモのオンラインで購入して下さい。いったん契約も解除する必要があり、やり方はアハモで聞いて下さい」。

帰宅し、パソコンでアハモのチャット相談の窓口を探しあて、アクセスするも、「ただいま、混雑しております。アクセスし直して下さい」の表示がでた。何度やっても「ただいま、混雑中、対応できません」。またドコモショップに駆け付け、早期解決を訴えました。

今度は別の店員が対応しました。「ここでアハモに対応できる新機種を買えますか」「買えます」「先ほどの店員はアハモのオンラインでしか購入できないと言っていた」「いやここで買えます」。

店員教育の不足、想定されるトラブルに対する準備不足か。店員さんもドコモの社員ではなく、業務委託会社の契約社員なのだろう。格安料金のアハモの加入者が急増すれば、自分らは失業する。「迷惑なアハモのことなど、心配していられるか」が本音ですか。

さらに別の店員に相談すると、「新機種を買えば、この店でアハモとの契約解除の手続きができます。ドコモとの旧契約に戻せます。そうしてから改めて、アハモと契約して下さい」。「先ほどドコモの窓口では解除できないといわれた」「料金契約の変更ですからできます」。

それぞれがまるで違うことを言う。それで解決するなら、まあいいか。日を改めて、新機種をドコモショップで買うことにしました。

もうひとつ、格安料金プランに対する不満があります。最初の発表では「月額2980円、5分以内なら電話かけ放題」が宣伝文句でした。ドコモで選択していた「長電話もかけ放題」の説明がない。

アハモにチャットで問い合わせると、「1000円でオプションを追加できます」とのことでした。ホームページに載っている報道資料の片隅に書いてある。「2980円プランに並べて、1000円追加オプションを紹介しないのか。長電話希望の人は3980円」と怒りがこみ上げてきました。

「2980円」が目立つようにして、「3980円」はよく探さないと見つからないようになっている。「2980円」はおとり表示に近い。

マイナンバーについては、市役所が「年内に更新期限がくるので、市役所にきて更新してほしい」と言ってます。なぜわざわざ出頭を求めるのか。オンライン化や非対面接触システムが進んでいる。遅れたお役所仕事としかいいようがない。

さらにマイナカードを使った電子納税申告に慣れるのに苦労しました。何度か間違えていると、画面に「3回間違えたので、暗証番号がブロックされました。市役所の窓口に来て、ブロックを解除して下さい」と。市役所に出向かないでも、ブロックを解くシステムを開発すべきです。

最後に。電子納税申告書をパソコンで開こうとしても、開けない。国税庁の相談窓口に電話をすると、「あなたはインターネット・エクスプローラ経由で申告している。それが今はエッジに変わっている。元に戻さないと、閲覧できない」との返事でした。そんなことがあるのか。

パソコンの画面に先日、マイクロソフトが「エクスプローラよりエッジのほうが使い勝手がいいので切り換えて下さい」という表示があったので、それに従ったまでのことです。

そうしたら、国税庁が「元に戻さないと、納税データを閲覧できません」と。なにこれ。デジタル化の現場はこんな状態なのです。平井デジタル相殿、現場は混乱しているのです。


編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2021年3月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。