先日、BSフジのプライムニュースに出演し、現在務める内閣府大臣補佐官の担務に関連する新型コロナワクチンの接種促進について話しました。共演は、黒岩神奈川県知事とマーケットデザインを専門とされる栗野盛光慶應義塾大学経済学部教授でした。オンラインでアーカイブが見られますので、ぜひご覧ください。
前編(要点記事):ワクチン接種の現状
後編(動画):ワクチン接種管理システムの目的と運用ついてと、デジタル関連法案成立で日本はどうなる?
今回の出演でお伝えしたかったのは、1) 1日でも早く一人でも多くワクチンを接種してもらうことが最優先事項であり、2) そのために、集団接種会場、3) 特に、人材のマッチングがうまくいくよう、国と都道府県による自治体現場で尽力する職員へのサポートが重要である、ということです。
現在、ワクチンを接種できる場所として、全国約4万件の医療機関と約5000箇所の集団接種会場が順次立ち上がってきています。接種スピードを上げ、一日も早く日常を取り戻すことを最優先に考えると、できる限り早く全ての会場で接種を開始し、日々、各会場で一人でも多く接種を行えるようにすることが重要です。
そこで課題になるのがワクチンの打ち手不足ですが、視野を広げてみると別の課題が見えてきます。自治体としては地元の開業医を中心とした医師会と打ち手について相談されていますが、開業医として働いている医師は約10万人ほどです。一方、病院で勤務医として働いている医師は約17万人います。病院の勤務医で協力したくても、自治体から声がかからないまま待っている状況がありますので、都道府県が主体となって各病院などと調整し、各自治体にマッチングすることを進めていきます。
求職中または離職中の潜在看護師も頼りになります。すでに各都道府県の看護協会が接種訓練を行っており、全国で約4000人の看護師が接種をできる状況にありますが、実際に従事し始めた方は未だ200-300名程度です。このミスマッチも都道府県と連携し解消していきます。
さらに、歯科医師などワクチン接種が可能な職種の拡大も行なっていきます。
それ以外にも、集団接種会場や医療機関での運営方法によって、同じ時間で倍以上の接種が可能になるなど、運営ノウハウの共有も大きな効果があるでしょう。
このように課題を把握し的確に対応していくことができれば、現在、週2回の集団接種会場を週4回にすることもできるでしょうし、各会場での接種効率も倍に増やすことができると考えています。現在、医療従事者と一般接種合わせて約40万回/日で接種が進んでいますが、まだまだ伸び代があります。
5月24日から自衛隊による大規模接種会場や都道府県直営の接種会場も始まり、接種記録システムから上がってくるデータを確認すると、スムーズに接種が進んでいるようです。引き続き国として各現場における迅速な接種を全力でサポートしていきます。
余ったワクチンの使い道に対して、各自治体ごとの判断で賛否がありました。その結果、余剰ワクチンの接種について消極的にならざるを得ないという声が自治体の現場から聞こえてきています。
しかし、現在順調にワクチンを調達できているとはいえ、接種を待っている方が圧倒的に多い状況には変わりありません。できる限り無駄にすることなく、柔軟に、打てる人に打っていただきたいと思います。誰に打ったかということに対する非難に事前に対応するとすれば、事前登録制にするとか、打つ対象を明示しておくなど、判断基準を透明化しておくことも効果的です。
予約や接種現場の混乱ばかりが報道で目立ちますが、多くの自治体が創意工夫しながらワクチン接種が進められています。具体的には、抽選方式や、最初から日時を割り当てして通知するなど、当初からスムーズに進めている自治体も多くあります。良いノウハウを全国の自治体に共有し、展開することも行なっていきたいと思います。
最初に書いたように、私たちが最優先すべきは一日でも早くワクチン接種を進め、日常を取り戻すことです。そのためにも優先順位を明確にし、全力で取り組んでいきたいと思います。
編集部より:この記事は、衆議院議員、小林史明氏(広島7区、自由民主党)のオフィシャルブログ 2021年5月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は小林史明オフィシャルブログをご覧ください。