第6波はどうなる?感想ではなくデータ・エビデンスから仮説を立てる

第6波はどうなる? を過去のデータから推測する

日本がゼロコロナ状態になって早1ヶ月。第6波は来るのかとよく言われますがわたしは占い師ではありません。データを元に仮説を立てるだけです。テレビでは専門家と称する人たちがなんの根拠もない単なる感想を言っています。

この人たちがなんでこんな思いつきのでたらめをメディアに言えるのか、本当に謎です。プロは根拠のない思いつきをいえるかもしれませんが、アマのわたしはデータ、つまりエビデンスから仮説を立てたいと思います。

第6波は来るのかはまだわからない

テレビでは12月にくるとか、1月に来るとか勝手に専門家が言っていますがわたしはまだわからない。来ない可能性もあるとしか言えません。理由を述べます。

第58回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年11月9日)のデータです。

このデータからわかることは

1 過去の日本の波はすべて新しい変異株によるものであった

日本の全ての波は新しい変異株によってもたらされました。1は武漢株ではなく欧州株です。2~3波も同じ。4波はアルファ。5波はデルタです。最新のにB.1.617.2がすこしありますが、これは春からあるもののアップデート版ですが勢力拡大傾向にはありません。

F3al2/iStock

2 同じ株によるリバウンドは起きたことがない

「コロナの感染は人間の行動変容によって拡大、収束したわけではなく、異なる変異株の発生によっておき、変異株ごとに罹りやすい人と罹りにくい人がいて、その変異株に罹りやすい人が一通り罹ると収束する」というのが山火事理論ですが、この理論では大きな波は変異株によって起きます。

他国ではいったん収まった波が再拡大しているケースもありますが、厳しいロックダウンをした国であるなら感染が浸透していなかった可能性が大きいと思います。日本の場合、第5波では市中感染率が1~3%でしたから常時30人に1人が陽性であったと考えると、非常に多くの人がすでに感染し、その上にワクチン接種が7割以上行き届いて強力な抗体を生成しているものと推測しています。

3 次の強力な変異株はまだ見つかっていない

ここが重要で、世界的にもまだ新しい競争力のある変異株は見つかっていない模様です。ブラジルやペルーで猛威を振るったガンマ株(ピンク)もデルタに駆逐されました。

オーストラリアは黄緑のカッパ株が流行しましたがすぐにデルタに駆逐されています。

日本の第5波までを見ると、新しい変異株が出現すると既存の株が収束に向かい、それから5週間を経て新しい変異株が爆発的に増加の繰り返しでした。だいたい出現から10~15週間後にピークを迎えています。

つまり新しい競争力のある変異株が出現してはじめて「いつ頃に次のピークが来る」という予想ができるのであり、現在の状況では

いまだ次の波の兆しは見えない

というのが正しい解析であり、現段階で1月に来るとか2月にくるとか言うのはデータに基づかない単なる個人の感想です。

ただし今回は「次の変異株が全く出てこない初めての状況」であります。このまま終わる可能性も0ではないし、抗体が切れ始めた高齢者からデルタの再拡大が始まる可能性もあります。すべてが初めての経験なので、いままでは何週間周期だったから次回は・・というシミュレーションもまったく無意味です。

デルタの再拡大があった場合の規模

ここからは過去のデータがないため、仮説となります。

まずワクチンの効果は完全に否定できるレベルを超えました。少なくとも感染防止効果も完全ではありませんが抗体価が高いうちは相当に高いです。同じ資料から


2回接種は未接種の1/10しか感染していません

ワクチンの接種率だけではなく、ワクチン接種など感染回避に関する意識が近い集団の影響もあります。いわゆる目玉焼き理論です。衆院選挙ではイベルメクチンを処方しまくっている医師の候補の選挙事務所でクラスターが出ました。こんなゼロコロナの時期にクラスターですからそういう意識の集団で感染拡大するといういい証明ともいえます。

アメリカではワクチン接種率の高い民主党の州と低い共和党の州では人口あたりの感染者数が全く違います。

人口あたりの感染者数、ベストテンはすべて共和党の州でした。ww

すでに日本の接種済みは7割に達して最終的には8割にはいくでしょう。そうすると感染者の総数は単純計算では第5波の28%に抑えられることになります。第5波のピークが1日25000人でしたので、デルタ株ならば1日7000人程度、東京なら2000人くらいで治まるはず。重症者も第5波の3割で収まれば医療崩壊はないでしょう。

ただし高齢者やハイリスク群に1月にブースターを接種した場合です。60歳未満はまだ抗体値が下がらないのでブースターなんて不要です。抗体値が下がりやすいのは「高齢者」「喫煙者」「アルコールを毎日飲む者」です。喫煙者と酒飲みは勝手にしてください。

日本はどうあるべきか

ゼロコロナはあり得ないことはニュージーランドが証明しました。現在のニュージーランドは


人口を合わせると東京の20倍の新規陽性者です。数字で言うと東京なら500~600人の新規陽性がずっと出ているわけで、ワクチン接種率が65%、人口密度が圧倒的に低い国でこれですので自然感染無しでワクチンのみでゼロコロナは無いと断言できます。繰り返しますが日本は自然感染とワクチンで強力な抗体が生成されているのです。

結論で言うと、日本は経済をフル再開すべきだと思います。なんのためにワクチン接種率をここまで上げたんでしょう。マスクもしたい人だけすれば良い。ワクチンにこれだけ完全予防効果があることもわかったのだから、罹りたくないなら他人にマスクを強制せず、自分が抗体価が落ちた頃にブースターを接種すれば良い。インフルエンザワクチンを毎年接種するのと同じでしょ。罹っても良い人は接種しないで好きにすれば良いのです。

世界は完全なインフレ基調です。このまま日本経済が停滞すると給料が上がらないまま物価だけ高騰して国債を発行するわけにもいかず、どん詰まりになるように思います。もたもたしてないでGoToも即刻。そして終息宣言を政府が出すべきなのにいったいなにしてるんだ。

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編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年11月11日の記事より転載させていただきました。