ウーバー・電動キックボードの提案事例から学べること:規制官庁側から見る成功のカギ

社会をよくするためには民間の取組もとても大切です。

でも、時に今ある規制とぶつかる時があります。

rockdrigo68/iStock

規制があるからあきらめるのではなく、規制を時代にあった形に変えることができたら皆さんの取組もぐっと前に進みますし、社会もよくなるに違いありません。

では、民間から規制を時代に合った形に変えるために必要なことは、なんでしょうか。

まずは、規制がなんのためにあるのか、どのような仕組みになっているのかなど、規制そのものをよく理解して、合理的な提案を考えることが必要です。

そして、働きかけるために、規制を作ったり変えたりする力を持っている行政や政治の意思決定プロセスを知ることが大切です。

そうした、規制に対する理解や働きかける相手方のことをよく知って、働きかけることができるかどうかが、成功のカギになります。

多くの人たちがこれまで規制を変えていこうとチャレンジしてきました。ある人は成功し、ある人は失敗してきました。

第18回:民間から政策を変えた事例 -男性育休義務化-の記事では、個人が仲間を作り、政策を変えるまでに着目しました。これは、とてもうまくいった事例です。

今回は、ビジネスを作り出そうとする方々にも参考になるように、よりビジネスに寄せた事例を取り上げます。失敗した試みと成功した試みを比較して、どのような点に違いがあるのか、学んでいきましょう。

もちろん、一口に「規制を変える」と言っても、規制の分野や民間側がやろうとしている新しいビジネスの形も様々なので、成功した事例と同じことをすれば必ず成功するというものではありません。

でも、成功事例には成功に至る理由やヒントが隠されていますし、失敗事例も同様です。きっと、皆さんの参考になると思います。

私たちは、規制を担当している省庁でずっと規制緩和の提案を受ける仕事をしてきました。様々な企業などからの提案を受ける中で、「これは、合理的な提案だからちゃんと考えないと」と思うこともありましたし、「これは筋が悪い」「これはやり方が乱暴だ」と思うこともありました。

私たちから見ると、個別の事業者の提案内容や働きかけの仕方が、上手か下手か、つまりうまくいきそうかどうか、見えやすいです。

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編集部より:この記事は元厚生労働省、千正康裕氏(株式会社千正組代表取締役)のnote 2021年12月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。