佐倉市議会:請願の説明を止める決定を下した議長への要望書提出(後編)

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前編では、請願に関する行政、議員の本音を概観しつつ、佐倉市議会におけるこれまでの請願の運用について整理しました。

今回の記事でも、引き続き運用面に関する説明が必要なため、前回の整理を下記に引用します。

  1. 招集日(本会議初日)に、議場で請願内容を紹介議員が説明したうえで、4つある常任委員会のうち、一つ以上の委員会に付託される。
  2. 当該請願を付託された常任委員会では、その内容を精査・審議したうえで、委員会内で討論→採決される。
  3. 議会最終日、当該請願を検討した常任委員会での審議結果(可決or否決)を委員長が発表したうえで、討論→採決される。なお、最終日には、請願は番号のみが読み上げられ、その内容も請願タイトルも読み上げられることはない。

「紹介議員による請願の説明」割愛の問題点

上記「1.」における請願説明の割愛の何がまずいのか、というと、市民をはじめ、市職員、議員が、請願の趣旨を知る機会が大きく減衰することです。

上記「1.」~「3.」の運用のうち、佐倉市議会においてテレビ中継されているのは、「1.」のすべてと、討論を除く「3.」です。

また、インターネットでの配信を行っているのも、「1.」と「3.」のみです。

つまり、議員が請願の内容を審議する「2.」の常任委員会は、テレビでもネットでも、動画で確認することができません。

そうなると、「紹介議員による請願説明の割愛」をしてしまった場合、事後議会審議を確認している佐倉市民は、テレビやネット動画では「市民からどういう請願がでているのか」を知ることが一切できないということになります。

以前お話ししたとおり、委員会を含む議会の開催は平日の昼間ですから、「傍聴できるからいいじゃないか」というのは、あまりにも手前勝手な考え方でしょう。「請願はいつでも閲覧できる資料室に即日配架している」というのも、結局役所に足を運べ、という理屈ですから、賛成しかねます。

さらに言えば、本会議場で請願の説明がなければ、当該請願の該当先「ではない」部署の市職員や、審議する委員会の委員「ではない」議員は、その内容をほとんど知ることなく議会が終了することも十分あり得るものと考えます。

議会会議規則と公開原則・議会の説明責任

この「紹介議員による請願の説明」を「止める」という判断は、前回の記事にあるように「議会会議規則」を字句通り運用するという意味では「正」です。

佐倉市議会:市民からの請願を「読み上げない」議長決定

佐倉市議会:市民からの請願を「読み上げない」議長決定
1月26日、佐倉市議会の会派代表者が開催されていました。 会議では、2月議会中に開催される予算審査特別委員会の委員選出や、2月議会の運営について議論されましたが、佐倉市議会の運営方法の大きな変更が決定されたのでお知らせします。 ◆請...

詳細は前回の記事を参照いただくとして、規則上は「議長が請願を委員会に付託」することが決められているだけで、議場での説明や質疑は除外扱いと読めるからです。

他方で、佐倉市議会の最高規範である「佐倉市議会基本条例」の前文には、以下のような文言があります。

議会及び議員は、積極的な情報公開を通じて市民への説明責任を果たし、市民参加による多様な意見を聴いた上で、公平、公正かつ透明な議会運営の下、議員間の自由闊達な討議を通じて論点を明らかにすることにより政策立案や政策提言を行っていかなければならない。

同条例では、第3条、及び第6条でも、「公開原則」と「議会の説明責任」をうたっています。

そもそも、加速する地方分権社会を前に、議会の質の向上とセットで推進すべき「開かれた議会の実現」に対して、「請願内容を知る機会を著しく減衰させる決定」は、明らかに後退です。

何度も言いますが、秘匿からは何も生まれません。しんどくても、しっかり情報公開したうえで、市民の代表として「なぜ賛成or反対するのか」をしっかり表明したうえで議決するのが、高い給料を税金からもらっている議員の務めです。

以上から、前回の記事のとおり、私を含む要望書の提出議員は、「会議規則を変更して、紹介議員の請願説明を継続しましょう」という趣旨の要望書を提出したわけです。

今後の佐倉市は、市庁舎再建、小中学校の統廃合、市民体育館の移設、市の施設の整理と売却、家庭ごみの最終処分場の立地計画、水道料金の段階値上げなど、大型の課題が山積している状態です。自分に大きくかかわる問題が発生してから、議会の秘匿性の拡大に気づいても遅いのです。

さくら会平野議長からは、本件について、会派代表者会議にかけて検討する旨の返答をいただきましたので、続報します。

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