正教会では、今日4月24日に復活大祭(イースター)を祝う。ウクライナやロシアの各地の正教会聖堂でも復活大祭のミサが営まれているではないかと思う。
誰もが平和な世界の復活大祭を願っていただろう。しかし、復活大祭を前に停戦が実現されることはなかった。
停戦の仲介に尽力しているトルコのチャヴシュオール外相は、21日、CNNトルコ放送のインタビューに答え、「NATOの中に戦争を長引かせようとしている国がある・・」と述べていた。
その国の名を伏せているのが、過激なやり方を避けるトルコらしい所じゃないかと思うけれど、おそらく、その国は米国である。戦争が長引けば、ロシアを経済破綻の窮地に追い込むことが出来るかもしれないからだ。
トルコでも多くの識者は、以下の駄文に記した「ロシアの切り札」も長期的には有効性を失うと見ているようである。
ところが、非常に反米的なベルジャン・トゥタル氏は、4月24日のサバー紙のコラムでも、「米国の思い通りにはならない」という自説を繰り返している。
「ドイツのショルツ首相に反米の意図はないが、米国に屈服することもない。米国の思い通りにさせない現在の受動的な外交姿勢を続けるだろう」といった見解を明らかにしているのである。
また、イスラエルが米国に同調していない点を強調しているけれど、これはどうなのだろう? ユダヤの人たちは、世界の歴史の転換点を決して見誤ることがないように思えるからだ。
しかし、今日のトゥタル氏の記事で最も興味深く感じたのは、この戦争で米国を積極的に支持している例外的な国として、ポーランド、バルト海沿岸諸国、そして日本の名が挙げられていた件である。
トゥタル氏ほど極端な見方ではなくても、日本の積極的なウクライナ支持を訝し気に捉えているトルコの識者は少なくない。日本がこういう形で取り上げられるようになってしまったのは何だか悲しくなる。
*2010年の復活大祭で、イスタンブールのロシア教会の堂内に飾られていたイースターエッグ等々。
編集部より:この記事は、新実誠氏のブログ「メルハバ通信」 2022年4月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「メルハバ通信」をご覧ください。