2月より国内死亡数が急増したことが話題となっています。感染研の超過死亡ダッシュボード で、2月の超過死亡数を確認しようとしたところ、グラフの数値が大きく変更されていることに気づきました。私は以前に、 アドバイザリーボードにおいての超過死亡報告の問題点 を指摘しました。 今回、感染研はダッシュボードのグラフ自体も変更してしまったのです。
2021年1月~2022年2月の超過死亡のグラフを見てみます。
以前のグラフと比べて、観測死亡数が予測閾値上限を上回る週(赤丸)が明らかに増加しています。
比較するために、2021年12月の私のアゴラの記事より、2021年1月~2021年8月の超過死亡のグラフを引用してみます。
次に、現在のダッシュボードの同期間のグラフをみてみます。
現在のグラフの方が、観測死亡数が予測閾値上限を上回る週(赤丸)が増加していることが、はっきり確認できます。
これだけグラフの数値が大きく変更された以上、どこかその説明があるはずだと探したところ、その記載が見つかりました。
全国の超過死亡数の算出方法を、これまでは47都道府県それぞれの超過死亡数を積み上げて全国の値としていたが、今回から全国の観測死亡者数から直接超過死亡数を算出する方針に変更したということです。
アドバイザリーボードによると、今後更に計算方法が変更される可能性があるようです。
超過死亡数のベースラインを算出する際に、パンデミック期間(2020年以降)のデータを含めるかどうかを検討しているという話です。CDCと世界保健機構ではパンデミック期間のデータを含めず、感染研では含めています。検討中という話ですが、世界と合わせた方が無難だと私は思います。
計算方法を変更することが駄目だというつもりはありません。ただ、今までの超過死亡数は何だったのかという話になります。また、過少死亡数の扱いが今までと同じという点が個人的には不満ではあります。
【おまけ】
Think Vaccineのシンポジウム が6月3日に開かれました。 そこで、厚労省が未接種者データを修正することになった経緯が詳しく説明されています。 動画の後半の小島氏の解説のところです。 興味のある方はご覧ください。