自称リベラルの意識高い系社員が会社を潰す

Olena Lialina/iStock

イーロン・マスク氏はTwitterを本来の企業の在り方に戻すべく、大ナタを振るっている。

社員にしてみれば、それまでの自分たちの努力は何だったんだ?と思ってるかもしれないが、例えばTwitterJPの実態で分かるように、意識高い系社員は企業収益など意に介さず、自分は人に羨まれる企業に勤め、ブレックファストミーティングを行い、昼食は出入り自由の食堂で、好きな時間に好きな場所で仕事をする。

コロナ禍になりそれは更に加速しただろう。ノマドというやつで、自分はPCひとつでどこにいても仕事が出来ると自惚れていたのだ。

その結果、Twitterのキュレーターは何をしたか?

リベラルな意識高い系の自分は、アメリカの民主党支持者に多い、リベラル思考に基づく、オサレな日本社会を作り上げていると慢心したのだ。その結果、旧民主党系の国会議員を支持し、朝日新聞、毎日新聞、TBSといった意識高い系メディアを持ち上げ、そこから世論誘導する間違いを犯した。

日本における差別問題、LGBT問題を散りばめたTwitterのタイムラインを作り上げることが、自分たちの仕事であると勘違いしたのだ。

ツイッター解雇、日本でも 広報部門、全員対象か

ツイッター解雇、日本でも 広報部門、全員対象か | 毎日新聞
 米電気自動車大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)による短文投稿サイト「ツイッター」の大規模なリストラ。その波は日本法人にも及んでいる。広報部門など日本法人の多数の社員も解雇対象になったとみられ、混乱の影響が出始めている。

それは何もTwitter JPに限ったことではないだろう。広範な意見を自由に発言するはずのSNSにおいて、特定のイデオロギーやTwitter自体が恣意的な世論誘導をやることは、SNS本来の使命を逸脱していることに他ならない。勿論、差別や人権に関わる発言はあってはならないが、一方で個人の情報発信の場として言論の自由を確保することは、「場」を提供している企業の責務とも言えるだろう。

イーロン・マスク氏、Twitter買収の理由を語る 「文明の未来に重要」

Yahoo!ニュース
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イーロン・マスク氏自身の本音の部分は分からないが、彼自身は自由な言論空間の持つ意味を「未来」という視点で語っている。と同時に彼は経営者でもあり、これまで企業規模やユーザー数に比して、経営面での黒字化が難しかったTwitterを、収益が見込めるまともな企業に変えようとする取り組みは、これまでTwitter社が怠ってきた一面を補完する意味があるだろう。

マスク氏は、テスラの全社員に対して、6項目の業務に対する姿勢、あり方を求めた。

ハウスクリーニングのベンチャーを立ち上げた、創業者の @LiamKircher 氏は、イーロン・マスク氏がテスラ社員向けに出したEmailの中身に触れ、6つの重要なファクターについて整理している。

1)大規模な会議をするな
2)貢献していない会議には出るな
3)指揮系統に捉われるな
4)賢く喋ろうとするな明確に喋れ
5)会議の回数を減らせ
6)常識的に判断しろ

これらは日本国内の企業においても邪魔だとされる内容で、企業内の変革を求められた時、当たり前に取り上げられる視点であり、重要なファクターだ。

これまたTwitter Japanをdisることを書いてしまうが、Twitter Japanの広報担当者は、このマスク氏が否定した中身を全て行ってきたのだろう。つまり、企業の生産性向上に一切必要とされていないことばかりに着目してきたのが、Twitter Japanの広報だったのだ。

だから、全員、クビになった。つまり、意識高い系の口だけ人間は必要ない。ましてや、自称リベラル思考のイデオロギーによる発想や業務姿勢など、邪魔にしかならない。

以前の拙稿でも触れたように、朝日新聞系メディアの記者が暴露した、Twitterの意識高い系社員が世論誘導していた実態は結果的にTwitterの自由な言論空間を奪い、自由な経済活動をも奪ってきたのだ。

ジャック・ドーシーが生み出した実に革新的な言論空間としてのプラットフォームに、政治イデオロギーを持ち込む愚策を行なってきたのだ。Twitter Japanの社員は猛省すべきだと思う。

そして、マスク氏はTwitterの社員数を半分に減らした上に、更に残った社員に踏み絵を踏ませた。

自宅でのんびり仕事をすることはまかりならん。出社し、バリバリ働け。それが嫌ならさっさと辞めろ。

これらを直接、残った社員にぶつけた。まるで、高度成長期の日本企業のようではないか?

つまり、Twitter社は社員のほぼ全てが企業人としての危機感があまりに欠如していることを、マスク氏は指摘したいのだ。マスク氏はTwitter2.0を目指すとした。これまでのIT企業にありがちな、おしゃれで会社が何もかも面倒見て、意識高い系の社員が集まるような企業や、意識高い系のプライドだけが高い仕事をする人間はいらないと明言したのだ。

実はTwitter Japanユーザーの中には、まことしやかにTwitterのタイムラインやニュースフィード、認証バッジの付与対象者に対しての不信感は根強くあった。明らかに何らかの恣意的な作用が働いているのではないか?と、噂されていたのだ。それが図らずもイーロン・マスク氏によって露呈されることとなった。

自由な言論空間を維持するのは、本来はサービスを提供する側の責務であると同時に、ユーザーの目線も重要で、おかしいことをおかしいと言えるSNS空間であるべきだ。

私は以前から、TwitterのようなSNSは、本来、情報提供する側のプロの視点だ大事だと指摘してきた。

しかし、自称リベラルの意識高い系社員がいるような以前のTwitter Japanのような企業体質なら、イーロン・マスク氏のように大ナタを振るわない限り、改革は不可能だったかもしれない。

私が本当に言いたいのは、それほどにメディアもマスコミもSNSのような言論空間も、自称リベラルの意識高い系に蹂躙されつつあることを、ユーザーである我々はもっと理解する必要があると言うことだ。