内外ともに女性記者は増えているが

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つい先日、国の行政機関における女性管理職の割合が過去最高になったとラジオで聞きました。「最高」って言うから50%に近づいたのかと思ったら、局長や審議官クラスで5%、課長や室長クラスで7%だそうです。少ないなあ。

と、思ったのは、その数日前に英国の新聞サイトでは女性記者が大活躍してるという趣旨のPress Gazette(PG)の記事を目にし、凄いな、と感じたばかりだったからです。

この記事はオンラインメディアPGが独自に行なったもので、英国の大手新聞6 紙ーミラー、ガーディアン、インディペンデント、サン、テレグラフ、メールオンライン(デイリー・メール)のサイトに載った上位20記事の署名を5日間にわたってチェックしたところ、42%が女性記者や女性コメンテーターだったというものでした。

中でも女性の署名記事が多かったのはミラーの51%、ついでガーディアンが46%で、以下、インディペンデント44%、サン42%、テレグラフ34%、メールオンライン33%でした。

今でこそ、日本のマスメディアへの女性進出は珍しくありませんが、ふた昔ほど前に、政治、経済といった「硬派」の取材現場に女性が配置されるとニュースになった頃からすると、英国は進んでるなあと感じ入った次第です。

そういうわけで、働く世界は違うけど、日本の官庁はまだまだだなあ、という思いを強くしました。

そこで、米国の新聞はどうか、と思い立ち、誰もが知っているNew York Times(NYT)とWashington Post(WaPo)についてみてみました。この2紙は私が購読契約をしており、見ること(!)が比較的多いのですが、あんまり女性記者の存在を感じないので、興味を持ったわけです。

しかし、実際は両紙とも女性ジャーナリストが優位なのがわかりました。

まずNYT。2021年の Diversity and Inclusion Reportによると、「ニュース・オピニオン」部門の男女比は2015年の男性57%、女性43%だったものが2021年には男性47%、女性53%と逆転しています。管理職についても男女比率は逆転し、2015年の62:38が2021年には49:51になっています。

WaPoでは、編集局長自体が、同紙の創刊143目にあたる一昨年、初めて女性になりました。そのせいでもないでしょうが、同紙のWorkforce Demographicsによると「ニュースと論説」部門の男女比は2018年に逆転、2022年では女性53.4%、男性46.0%で、管理職に限ればさらに広がって55.9:43.7です。

ふた昔の日本の現場を知る者からすると信じられような数字ですが、日本新聞協会の1年前のレポートによると、日本でも女性記者はどんどん増えていて「記者に占める女性の割合は1.3ポイント増の23.5%で、7年続けて増加。女性記者数は4千人を超えました」とあります。

しかし、1年半前に拙ブログで紹介したように、世界12カ国の主要ニュースメディア240機関を調査した<Women and Leadership in the News Media 2021>によれば、女性編集局長がいないのは日本だけという結果になりました。(沖縄タイムスの編集局長は新聞協会加盟社の中で唯一の女性ですが調査対象になっていません)管理職はまだまだ少ない一例かも。

官庁や外国メディアと比較する上でも、日本の女性ジャーナリストの管理職割合も新聞協会に調べてほしいものです。


編集部より:この記事は島田範正氏のブログ「島田範正のIT徒然ーデジタル社会の落ち穂拾い」2022年12月8日の記事より転載させていただきました。