仕事とプライベートどっちが大事?の結論

黒坂岳央です。

ワーク・ライフ・バランスとか、仕事か?プライベートか?みたいな問いがあちこちにあり、各人が自身の見解を述べている。人の意見は様々だが、あくまで個人的には「プライベートよりまず仕事」だと思っている。

自分自身、現在は仕事は趣味のような位置づけでやりたいことだけやっていて(もちろんやっている仕事で手を抜くことはしない)、家事育児に重点を置く生活を送っている。これは過去に「まず仕事」をやった結果だと思っている。「現実問題、仕事をしないと生きていけないから」というものではなく、もっと心理的充足感としての切り口で考えたい。

※本稿では年金生活者、定年退職者、家事育児が仕事の専業主婦などは除く。

なぜそう思うのか?を取り上げたい。

仕事が充実するとプライベートも楽しくなる

プライベートの心理状態は仕事に強く影響を受ける。それは一家の大黒柱的な既婚男性だけに留まらず、フルタイム、パートをする妻の立場でも同じだろう。

仕事がうまくいかず、上司や顧客から厳しく不満を言われ続ける日々では、家庭や友人関係で楽しくコミュニケーションをとることは難しい。人によっては仕事のイライラをプライベートに持ち込んで親しい人にぶつけてしまうことだってあるだろう。

その逆に仕事で認められたり、お客さんから毎日感謝の言葉をもらえば自己肯定感を得られて他の人にも優しくなれるものだと思うのだ。自分の場合もそれは同じで、「ありがとう」「おかげで助かりました」といってもらえるととても嬉しくなるし、仕事でお客さんから喜んでもらえているという感覚があるからこそ、家事育児を頑張れる。逆に滅多にない大きなトラブルが発生した時などは、どうしても仕事のトラブル解決が気になってしまい、「心ここにあらず状態」になってしまう時だってある。

プライベートを全力で楽しむためには、まず仕事が充実している必要があるだろう。仕事は自分がやりたいものだけを選んでもいいと思うが、やっている仕事は一生懸命頑張って感謝の声を集める、その結果としてプライベートも充実するだろう。

仕事を完全にやめるとどうなる?

プライベートの心理状態は仕事に影響されてしまうといった。では仕事を完全にやめてしまえば、プライベートは安定するのだろうか?

過去記事「現役」でなくなると能力は急速に劣化するや、60代で仕事を引退してはいけないで書いたのだが、結論的に仕事はやめない方がQOLは高いまま維持できると思っている。

自分自身、30代後半に妻に許可を得て一時期仕事を完全にやめてしばらく朝から夜まで何もしない生活をしてみた。疑似的な定年退職状態である。特に期限を決めず「飽きた時点でやめよう」と思って何にも縛られず好き勝手遊んでみた。最初は1-2年は続けてみようと思って始めた。しかし、思った以上にすぐに早く飽きた。

昼間は子供も妻もいないので家ではずっと一人だ。ゲームや漫画、映画は大好きなのだが、それだけは暇つぶしが続かない。こうした気晴らしは仕事の息抜きにやるからこそ楽しいのであって、息抜きでなくなれば何時間もぶっ通しでできるものではないのだ。実家に帰ってみたが、昼間はみんな忙しいので相手にしてもらえない。試しに旅行に行っても楽しくなく、その内観光地に行くよりホテルの部屋で時間を過ごすばかりになり、バカらしくなってやめた。

それまで自分は家庭内では家族を陽気に明るく盛り上げるムードメーカーなパパ役だったのだが、この生活を続けるたびにドンドン元気がなくなってくのが自分でもわかった。プライベートを充実させるため、再び仕事に戻った。

数年前に完全FIREを目指して資産運用!という話が流行ったが、実際にやってみるとこれは「人を選ぶ世界だ」と痛感する。少なくとも筆者には続けることができなかった。多少、拘束感があってもプレッシャーや時にはストレスを感じても、何もない世界より遥かにいいというのが結論である。プライベートは仕事あってのものであり、仕事をやめてまるごとプライベートになれば輝きを失うのだ。

 

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。