大谷通訳が連邦犯罪で起訴。最高30年禁錮

野口 修司

やはりだ。大谷選手の通訳が、連邦政府により、連邦の重罪、「銀行詐欺 bank fraud」 容疑で、立件、起訴手続きされた。有罪になれば、最高30年の禁錮刑になる。

最近のこれまでの報道では、通訳は窃盗容疑を認めて、司法取引で軽い刑を望むと言われた。違う。

筆者が2週間くらい繰り返しアゴラに書いたように、そもそもが連邦犯罪の違法スポーツ賭博参加、これ以外に大谷から無断で、大谷のお金を着服した罪。これが窃盗・横領、一番重い罪が銀行詐欺だ。単純窃盗だけなら州法違反になるが、最初からその可能性はゼロに近かった。

大谷選手と水原氏 NHKより

つい数時間前の午後11時のTBS番組で清原博・国際弁護士も、州法違反の3つの可能性を指摘したが、10日くらい前の筆者がアゴラに書いたように、銀行詐欺など連邦の重罪には直接触れていない。それどころか、TVで引っ張りだこの清原氏自身が、今回立件が弾けたのち「自分は銀行詐欺は考えたことがなかった」と認めた。

昨年から捜査していたFBI関係者に、筆者は直接取材していたので、かなり正確に報道した。脱税、マネロンも絡むので、国税局IRSとも当然組んだが、当初はFBIが捜査の主体と聞いた。胴元の家宅捜査もやりかなりの証拠を掴んでいた。海外はFBIの管轄外なので、国土安全保障省も参加した。

日本の報道、当初は、この種の報道に弱いESPNのpolice、 そしてIRS国税局の捜査関連ばかりだった。最初から捜査の主体はFBI。日本でも有名な湯浅国際弁護士も同意見だ。

今回の起訴を受けて出た司法省の公式プレスリリース。やはりFBIがなかった。FBIは独立しているが、司法省の一部、国土安全保障省の傘下といえる部分もあるが、一応電話で注意した。海外も捜査できる国土安全保障省が、取り仕切る形になったらしい。

ここで思い出すこと。

なぜNHK『ニュース7』とテレ朝『モーニングショー』が同じ誤報?水原一平疑惑 | ビジネスジャーナル 

https://biz-journal.jp/company/post_379876.html

天下のNHKが、こんなとんでもない報道をした。さらに、ほぼ間違いなくコピペをしたであろうTV朝日まで。

世界で日本人以外誰も見ない、読まないので、直接裏を取らずに、日本語で安心して「思い込み」をいう人がいる。スポーツ以外のどんな分野でもそうだ。

多くがそうだが、最近日本の各種報道をみて知った「こたつジャーナリスト・評論家」。信じられない報道姿勢だ。直接生取材せずに、ネットなど伝聞で、モノを言う人ばかり。

これを心配して筆者は、大谷事件を受けて、通常、あまり書かないスポーツについて書いた。

違法賭博疑惑。最初から連邦犯罪で、国税局と協力しつつFBIが中心になっていた。大谷自身は窃盗・横領・詐欺まで会見で公言した。ラスベガスも絡む違法賭博捜査が、州だけで済むはずはない。誤報したNHK担当者は基本が全くできていない。

以下は、自分が書いたもの。日付けと、内容を見つつ、関心ある方はどうぞ。

米国の刑事事件への日本人の理解が、あまりにも足りない。

筆者は米国で刑法を勉強した。1982年IBM作業スパイ事件で、検察に依頼されて日本から来た日本メデイアに簡単なレクチャーをしたことがある。いまだにそうだが、米国に自由刑しかなく懲役刑がないことも知らない日本人記者が多かった。

少し前に、大谷記者会見に球団幹部がいなかったと、これも「思い込み」を言った日本人女性ジャーナリストがいた。日本のこたつに入っていても、電話しまくれば、事実が分かる。伝聞に基づく「思い込み」は止めるべきだ。直接生取材するべき。今回の場合は記事をしっかり読み、書いた記者と電話で話すべきだった。「こたつ報道」は、日本の国益を損なう。

これも10日くらい前に書いた。通訳は自業自得。これから銀行詐欺に加えて違法賭博参加でも訴追可能性が残る。

一番心配した大谷PCからの胴元への送金の結果、大谷自身の違法賭博関与。その可能性は、筆者によるFBI関係者への取材で、ゼロになったことが分かり、10日くらい前に書いた。

今回の通訳の起訴で再確認された。

先ほどの記者会見でも米当局は、大谷は被害者であることを強調した。

スポーツ以外の全ての分野でも、米国史上初めてといえるくらい日本人のスーパースターは、大谷以外いない。

野球に専念して、さらに世界を驚かせて欲しい。