東京都知事選から考える日本の選挙改革:他の先進国と違いは歴然

今回の東京都知事選をイギリスから観察していましたが色々と考える点がありました。

日本記者クラブ主催の公開討論会 小池百合子都知事Fbより

私の新作書籍『世界のニュースを日本人は何も知らない5』でも解説していますが、海外と日本の選挙はずいぶん違います。

まず今回の選挙で非常に不思議だったのが、日本ではいまだに選挙のためにポスターを使っているという点です。

日本の方はあまりご存知ないかもしれませんが、実は他の先進国では日本ほど選挙ポスターを使っていません。もちろんイタリアやフランスのようにポスターを街中に貼るという国もありますが、日本ほど熱心な告知ツールとしては使われていません。またイギリスの場合はこういったポスターがほとんどありません。

イギリスではその代わりに各家庭に候補者の主張を1ページから2ページで説明した冊子をカラー印刷で作り配布します。また今回のイギリスの総選挙のようにYouTubeやSNSに各政党が宣伝を流すことも多いです。

そしてテレビ討論も非常に重要です。ゴールデンタイムに候補者が何回か討論を行います。イギリスの場合は選挙の時期ではない場合にも、BBCで毎週のようにクエスチョンタイムという議論番組が放送されており、一般の視聴者が政治家に対して厳しい質問を投げかけます。日本の選挙候補のようにただ単に喋って終わりというのではなく、きちんと双方向の議論があります。

都知事選では今回も政見放送が流されましたが候補者があまりにも多く、全部見たという方は少ないのではないのでしょうか。また、政見放送自体が今回は真面目な政策を訴えようとするのではなく、迷惑Youtuberの放送のようになってしまっている部分もありました。選挙ポスターも卑猥なポスターを貼りつける政党も出てしまい、目的を逸脱したものになってしまいました。政見放送もポスターも大変なお金がかかるわけですが、それで有権者に対するメッセージが伝わらないのでは全く意味がないでしょう。

また日本では選挙期間中に街宣車で候補者が主張をがなり立てたり、音楽を流したりしますが、あれも大変な社会的公害でしょう。現在はシフト勤務の方も少なくありませんし、家で寝ている要介護の高齢者や病気の方、小さなお子さんもいるわけですから、あんな騒音を流されてはたまりません。

東京都知事選のポスター

しかも街宣車でがなり立てていることの多くは「お願いします」と連呼したり、ヒステリックに自分の名前を叫んだりするだけです。それでは候補者が何を考えているかということはよくわかりません。

私は個人的には政見放送はYouTubeだけにして視聴者がいつでも見られるようにして、選挙のポスターは廃止して冊子の配布にし、街宣車による宣伝は全て禁止するべきだと考えています。

またテレビ討論をもっと頻繁に行い、選挙期間中には最低限でも3回、1時間から2時間程度の生放送の議論をやるべきでしょう。

視聴者も参加し、打ち合わせ一切なしで質問を投げかけてみるのがよろしいかと思います。

 

【参考記事】