アメリカは本当に自給自足できるのか?:破綻するトランプ大統領の関税計画

石破首相のポケットマネーによる新人議員へのご接待問題。焦点は本当にポケットから出たのか、それとも機密費なのかという週刊誌ネタ的な話で盛り上がっているようです。石破氏の年収はおおよそ5500-6000万円程度。税金や社会保険料などを引いても手取りは2千数百万円ぐらいはあるでしょう。首相のようなポジションになると自分のお金を使う暇はまずありません。食事は朝から晩まで会食、会議食、ワーキングミール続きで家で食べる時は家庭料理が欲しくなるものです。買い物などにはまずいけません。ということはお金を使えないストレスが出てくるものでそれでバラマキをしたくなったのだろうと私は良い方に捉えます。世の中が必死でその真相を追っているようですが、バカバカしいし暇な話だと思います。そんなことよりもっと国会議論することはあるはずです。

では今週のつぶやきをお送りいたします。

アメリカは本当に自給自足できるのか?

アメリカの強さは国土、資源、人口、マネー、影響力…何でも持っているからだとされます。本当に死角はないのでしょうか?私がアメリカに行った1981年「土産にメードインアメリカのモノが欲しい」と探したのですが、売っているのは安っぽいTシャツなどばかりで既にアメリカ製は流行らなくなっていました。アメ車も私は何台か乗りましたが、今、欲しいかといえばそのトラブルの多さも含めご遠慮いたします。

そんな中、トランプ氏は1.0の時から「メードインアメリカ」の復活を夢見ています。本当にできるのか、といえばごく一部の高級品やカスタムメードのような商品は作れますが、汎用品は諸外国からの輸入品にはなかなか勝てないでしょう。勝てないから関税をかけるというのは無意味です。ではトランプ氏に聞きます。関税をかけた全ての物品をアメリカである日突然作れると思いますか、と。ノウハウの蓄積もないし、労働力はお金で買うわけですよね。大枚はたいて労働力買ってもアウトプットされる製品は競争力はないでしょう。

ヴァンス副大統領とトランプ大統領 同副大統領インスタグラムより

私はアメリカは裕福になりすぎたと思っています。故にモノの価値観が我々庶民とは大幅にずれています。アメリカ人と話をすればすぐに「儲かるか?」の話。アメリカファーストではなく、マネーファーストだろうと言いたいのです。それでは絶対に成功しないし、関税計画は破綻します。多くの経済学者は冷ややかな目で見ていますが、政権にブレーキ役がいないどころか焚きつける人ばかり。カナダがEU入りを検討か、という噂話もありますが、隣国もアメリカを見放さないとは言い切れない状況です。

エロ広告にサイバーアタック、日本ってすごい

ちょっと知識をかじった人と話をするとごくたまに「〇〇の自由は憲法で保障されている」と言います。言論、表現、職業…これらをひっくるめて自由権と称するわけですが、政府や国会がこの自由についてほとんど触れてこなかった責任は重いと思います。世界を見渡すと何でも自由の訳がないのです。自由だけど一定の枠組みがある、これが一般的なのです。近年、外国ではこの枠組みが様々な議論の中で少しずつ狭められています。それは世の中の進化や変化と共に対応しなくてはいけない社会的要請に応えているとも言えます。

私のブログをスマホで見るとエロ広告がでてきて困ったことがあります。止められないかいろいろ聞いたのですが、これは私の方では何ともしがたいと。幸い、最近少し落ち着いたようです。当地の電車の中でスマホを見ている際、そんなエロい広告がバリバリ出てくるのでのぞき込む人がいれば「このおっさん、周りが日本語読めないと思って白昼堂々公衆の面前でエロいやつを見ているぞ」と思われても仕方がないぐらいであります。

サイバーアタックを未然に防ぐために能動的サイバー防御に関する国会の審議が始まっていますが、案の定「通信の秘密を侵す」「検閲の禁止」「プライバシー侵害」とまぁ憲法の規定を盾にとり言いたい放題の野党ですが、社会全体の利益と個人の利益をどうとらえるかという問題であって1億人が困っていても1人の権利を守るのが正なのかという話ではないでしょうか?このバランス感覚が日本は非常に鈍いと思います。まずは自由の規定を考えるべきです。自由にも枠組みがあることを国民に理解してもらうことを再度検討すべきでしょう。その点は世界と比べて50年遅れていると思います。

死因、認知症?

日経によると「慶応義塾大学や米ワシントン大学の研究グループは21日、日本人の過去30年の健康状態を解析し、2015~21年で最も多い死因は認知症だとする研究成果を発表した」とあります。認知症は老衰と同じ症状であって疾病ではないというのが一般の理解だと思います。訃報欄には死因が書いてある場合もあり、老衰、心不全あたりが多いかと思います。要は明白な死因は示さない死人に対する気遣いなのかもしれません。これがもし、死因、認知症と書かれたら私は死んでも死にきれないと代弁する家族の方もいるでしょう。

さて「海外では認知症を死因として扱う傾向がある」と記事にはあるのですがこれ、ちょっと無理がある括りのような気がします。つまり認知症を伴う方が何かをすることで死因につながると考えるべきである意味、上述の死因である老衰、心不全と同じような括りではないかと思います。嚥下障害(飲み込みの問題)、誤嚥(気管に入ること)、更にはどこかカラダに不都合があるのにそれが表現できない、痛かったのを忘れる、更には転ぶだけでなく転んだことを忘れるといったこともあります。

上述調査の死因で第2位は脳卒中ですがこれも本来は脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血があるのである意味括り表示です。ところががんになるとなぜか部位別に4位の肺がん、6位の直腸がん、7位の胃がん、9位の膵臓とトップ10に4つも入るのです。これおかしいでしょう。本来であれば、がんを1つにすれば1位になるはずでこのランキングは作為的な研究データとしか私には思えないのであります。ただ、ランキングはともかく、認知症は自己表現能力が劣る点で本当に気をつけなくてはいけないと思いますし、介護する側の苦労は計り知れないものがあります。好きで認知症になるわけじゃない、と言いますが、ある程度の予防や進行遅延策はあるので是非とも考えてみたらいかがでしょうか?

後記
日本の特許製品の「転んでも骨が折れにくいカーペットの中敷き」をカナダで販売しているのですが、我々のグループホームにもそれを敷く作業をしています。私とビジネスパートナーの2人で毎週1部屋ずつ中敷きとカーペットタイルを敷いていくのですが、2人で頑張っても8時間かかる細かい「骨が折れる」作業。だけどこれを敷くと入居者が喜ぶのです。もちろん転んでは困るのですが、安心を提供するというのはこういうことかなと思います。受注にボリュームが出れば学生バイトも雇えるのですがいかんせん、今は儲けゼロで施設としての付帯価値向上目的ですので将来Goodwillでもつけばよいのですが。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年3月22の記事より転載させていただきました。

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会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。