東京の街は「西高東低」から「東高西低」に変わる

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連休中に久しぶりに錦糸町に出かけてみました。前に来た時に比べて街のイメージはすっかり変わっています。

駅前のパルコには魅力的な酒屋さんがあったり、オシャレでリーズナブルな飲食店もたくさん立ち並んでいます。

錦糸町から10分ほど東に歩くと「ホルモンと餃子の聖地」である亀戸に到着します。こちらは、錦糸町と比べるとまだ開発が遅れているようで、駅前も少し路地に入れば昭和な雰囲気がたっぷり残っています。

青木、吉田、亀戸ホルモンが御三家のようで、それぞれ安くて、おいしいホルモンが庶民的な雰囲気で食べられます(写真)。

東京の東部エリアに来る事は今まであまりありませんでしたが、晴海に引っ越して来て渋谷や六本木よりもアクセスが良くなり身近になりました。

最近は清澄白河などにもセンスの良いお店が次々とできたりして、行ってみたいお店がたくさんあります。

錦糸町、北千住、豊洲と聞くと、数年前までは不便で遠い場所というイメージを持っていました。

しかし、西部地区の二子玉川や成城学園といったイメージの良い場所に比べてアクセスには遜色なく、丸の内や銀座のような場所に行くにはむしろ利便性が高いとさえいえます。

まだ物価水準は比較的低く、スーパーで買い物をしても、2割あるいは3割近く安く感じることもあります。

東京はこれまで山の手と呼ばれる世田谷、太田、目黒といった西部エリアの人気が高く、墨田、足立、江東などの区はお世辞にもイメージがあまり良いとは言えませんでした。

しかし、再開発や鉄道網の拡充によってインフラの整備が進み、割安な土地を求めて個性のあるお店が東部にも集まるようになり、イメージが変化してきています。

今後さらにメトロ有楽町線の豊洲からの延伸計画も予定されています。

逆に高級住宅地の象徴であった田園調布のような街は地元に長く住む高齢者の比率が高く、保守的で変化に取り残された街になりつつあります。

地価も家賃も高くなった東京では、イメージの良い場所に見栄を張って住む人が減って、利便性を重視する人がこれから益々増える。

とすれば、東京の街の「西高東低」から「東高西低」への変化はこれからも続くと思います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2025年5月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。