日本ではここ最近薬物に関する事件が後立ちませんが、日本ではとうとうMDMAなどの違法薬物をラムネのような形にして配布すると言うことも増えてきているようです。
日本ではフェンタニル事件が最近ちょっと注目低下気味ですが、日本に材料の中継地点があったと言う事はもっと大騒ぎしなければなりません。
これは2025年12月9日発売の私の最新書籍である『世界のニュースを日本人は何も知らない7 フェイクだらけの時代に揺らぐ常識』でも詳しく解説してあります。
そして私も子供を持つ親として非常に心配していますのが、日本では薬物に関する知識がない保護者や子供があまりにも多いということです。
もちろん今まではあまり知る必要がなかったのですが、これだけグローバル化しており、日本でも製造拠点の摘発などが相次いでいるところから見て、政府はそろそろ本腰を入れて対応しなければならないと考えています。
そして日本の学校における薬物教育を始める年齢を早くし、かなり実践的なものにするべきです。
例えば、私の子供が通っているイギリスの学校では、地元の警官により、薬物に関する教育が小学校4年生から行われます。
その警官による講義の内容は、日本の感覚だと驚くべきものです。

recep-bg/iStock
生徒たちは10人ほどの少人数のグループで警察署を訪問し、捜査専門官から授業を受けます。
捜査官は実際に街中で出回っている薬物の「実物」を持ってきて、生徒たちの目の前でどのように使用されているか、販売方法はどういったものか、そしてどのように使用されるかと言うことを実演で見せるのです。実物ですからリアルです。
密売人は、子供には市街地や学校の前、クラブ等のイベント会場で無料のものを配ります。
配るのは同じ位の年齢の子供と言うことも少なくありません。
最初は無料にして中毒状態を作り出し、後でお金を回収すると言う仕組みです。
なんとそのように薬物が小学生にも出回っていることがありますし、親が家でやっていることもあるので、家に現物があったりするのです。
しかもそれが大麻のようなものではなく、ヘロインやMDMA、コカイン、フェンタニルと言ったかなりハードな薬物です。
実は日本の皆さんのイメージと違い、欧州と言うのは想像以上に薬物汚染で悩まされています。
薬物汚染が最も激しいのはイギリスですが、これは全世界から薬物が最も末端価格の高いイギリスに集まってくるためです。
そしてイギリスだけではなく、ドイツやフランスイタリアスペインといったところも、薬物汚染が深刻です。
あちこちで子供が中毒になったと言う話があって、実は私の知り合いの知り合いも子供が治療センターに入院していたりしたことがあります。それだけ身近だと言うことです。
子供を持つ親にとって最も恐ろしいことは子供が薬物に手を出すことです。
学校に通う年齢の子供には同調圧力があり、学校内やイベントで周りから勧められて断れないことが多いのです。
子供を薬物から遠くに置くかが親たちの課題です。
ですから、管理が厳しい私立のキリスト教系の学校に通わせたり、放課後は学校の部活や勉強会で予定をびっちり入れ、スクールバスや親の送り迎えで放課後の立ち寄りや子供だけの行動はなし、週末も家にいるかスポーツや課外活動で埋め尽くして子供だけの外出はさせません。
管理が厳しい学校は土日も学校で課外活動や礼拝があり、外に出ないように見張っています。
これは底辺校ではなく、イギリスの超エリート校の様子です。
底辺校や中以下の学校は予算もマンパワーもないので子供らは放置状態で、麻薬に手を出します。
売人になる子供たちもいます。彼らは卒業後はプロの犯罪者になります。その辺で非正規雇用で働くより何倍も儲かるからです。
こんなに薬物が広がったのは、やはりグローバル化で陸路や空路での移動が非常に安くなり、多くの人やものが交流するようになったからです。
日本も急激に多国籍化しており、一般の人は欧州や北米に比べると知識がありません。
全く防御していないと言っていい日本人はターゲットにしやすいのです。
どうか日本の政府と警察にはこれを大変深刻な事態ととらえ、日本の小学校で薬物に関する教育を必修にしてほしいと思います。
すでに日本は生優しい映像教育や座学での知識の伝達をやっている段階ではありません。
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