初の民間ロケットが宇宙に飛び立つか期待が寄せられていたスペースワン社のカイロス。3度目のチャレンジも失敗でした。技術的な問題はともかく、個人的には日本の民間企業が力を合わせて飛ばすという意志に欠けている気がします。ロケットを飛ばそうとする日本の会社は10社近くあります。それぞれが「おらがロケットこそ一番じゃ」で小さくまとまり、小さく資金が集まり、小さく頭脳を寄せ合うわけです。そんなことじゃダメなのです。一致団結すべきです。アメリカや中国に比べて3周遅れになってしまったこの事態は民間宇宙開発を担当する経済産業省が一度、仕切り直しをすべきだと思います。なんならJAXA担当の文科省に代わってもらったほうが良いのかもしれません。
では今週のつぶやきをお送りいたします。
どうなる株価
漠としたサブタイトルなのですが、株式投資をしている皆さんもたぶん、「どうなるのだろうね?」でAIに聞いてみたり情報を集めて自らを癒しているのでしょう。以前から申し上げているように読みにくい相場になっています。ファクターはイランの戦争もありますが、AIブームが踊り場にあることとアメリカの景気が今一つである点です。
本日発表になった2月度アメリカの雇用統計はマイナス9.2万人。1月の時はプラス13万人でサプライズ増でしたが、2月はサプライズ減です。私は1月の発表の際、統計がいびつで異常値かもしれないと考えていました。理由は25年初頭から雇用は明白に減少に転じており、その理由が企業は雇用を増やしも減らしもせず、様子を伺いながらも徐々に減らしていくスタンスが継続しているからです。1月はそのトレンドから外れていたので異常値で2月で調整したように見えます。アメリカ経済の不調は関税もあるし、外国人労働者の排除もあるでしょう。様々な因子によりトランプ氏の下では投資資金が集まらず、株式市場からマネーが逃避しているのです。
それに反して日本株がまだ堅調なのはだいぶ前に予想した循環物色が効き始めているからとみています。東証スタンダードやグロースの指数は高値からさほど乖離しておらず、個人投資家の物色意欲が強い一方、外国人投資家が主体のプライム市場は国際情勢に押される展開が続いています。もう1つは日本が地政学的に影響を受けにくいこともあり、買い安心感はあるのでしょう。個人的には以前申し上げたように夏に向かって基本的には指数は下落し、秋から年末にかけて再び上場するシナリオを予想しています。
簡単には終結しないイラン戦争
私に言わせれば博打の様な賭けにしかみえないトランプ氏の今回のイラン攻め。もちろん国際社会はイラン政府の姿勢に不満を募らせていたことは事実です。ですが、トランプ氏のやり方はあまりに独断、かつ韓国で言われるような「ムービングゴールポスト」で最終目標がぶれてしまっています。またアメリカ議会がトランプ氏の暴走の歯止めになっておらず、無能化している点も気がかりです。アメリカには戦争権限決議があり議会はアメリカが攻撃を受けた場合や差し迫った脅威がある場合に限り、大統領が60日間に限り軍事作戦を展開できます。イラン攻め開始後、議会にその権限を求める案が上程されるも上院下院とも否決です。つまり現時点でアメリカ国内法に基づけばグレーな中での展開であります。

トランプ大統領 ホワイトハウスXより
トランプ氏はベネズエラ戦のような「3日間戦争」ぐらいのつもりだったのでしょう。ところが計算ミスはホメニイ師や幹部を殺害したことでイラン新政権の決定プロセスが大きくゆがんでしまったことにあります。また一部で報じられていたホメニイ師の次男を後継にする話はイランが認めたくない世襲制になるし、トランプ氏も政治的にNOであります。これでは次の人を決めるプロセスだけで数週間かかってもおかしくないのです。その間、止められないのが戦争であり、何をターゲットにするか非常にあいまいな戦いになりそうです。
今、ホルムズ海峡は実質封鎖されています。アメリカはそんなことないと言いますが、どの船舶がリスクを冒し、保険も実質機能してない中であの海峡を抜け出るのでしょうか?今のままで行くとサウジなどの油田で積み出しができなくなり、原油の貯蔵庫も満タンになり、紅海側へのパイプラインもキャパ一杯なので数週間後に産油停止のシナリオが現実的になります。その場合、原油価格は100㌦越えどころではなくなるでしょう。個人的には歴史に残る愚策になる可能性を見ています。それに対する審判はアメリカの中間選挙のみならず国際世論の厳しい目線が評価していくことになるでしょう。
カーニー首相は高市氏に何を訴えたのだろう?
カナダのカーニー首相が高市氏と会談しました。カナダ首相がG7以外で日本で会談するのは10年ぶりだと思います。私から見ると外交的には近くて遠いのが日加関係であります。日本はどうしてもアメリカを見てしまうのでカナダはスルーされてしまう、これが現状であります。カーニー首相はダボス会議で名演説を打ったのですが、そのキーワードはミドルパワーの国家が力を合わせる、でした。私は高市氏がこのミドルパワーという言葉をどう受け止めているのか、聞いてみたいのです。
日本は過去の栄光がまだ残っており、アメリカとの同盟を通じて世界に君臨する国家としての自負があると思います。が、実態としてはミドルパワー、つまりG20からアメリカと中国を除いた18か国と同等のレベルです。国家の能力はどの国も様々であり、秀でている部分、劣っている部分を均してみれば日本はカナダと良い勝負だと思っています。カーニー首相はミドルパワーの国は一国ではどうにもならないけれど力を合わせればいろいろなことができるということを主張しています。それは裏返して言えば日本のアメリカ完全追随型をそろそろ見直さないか、というお誘いでもあったと思うのです。
今回の会談で安全保障について踏み込むこととしました。カナダはサイバー問題対応については世界でもトップクラスの能力を持っています。ファイブアイズを通じた情報収集能力も高いです。また日本が最も懸念する資源と食糧も持ち合わせています。カナダと日本の間は太平洋であり、ホルムズ海峡のように第三者がそのアクセスを侵害しにくいというメリットもあります。高市氏は2週間後の3月19日にトランプ氏と会います。その頃は多分まだイラン問題の最中でしょう。高市氏は米中首脳会談の作戦を練りたかったはずですが、さてどうなのでしょうか?その時にカーニー氏の存在をじわっと感じるような気がいたします。
後記
日本からカナダに戻って来たその日に同志社大学の某ゼミ生13名と引率の先生を前にパネリストの一人として2時間半ほどディスカッション。主テーマがカナダの先住民問題。うーん、渋いテーマです。一応おさらいと思い、同志社大の別の先生がお書きになった50ページほどの論文を読み込んでいきました。難しいテーマでしたがうまくこなしたかと思います。言われたのは「カナダに戻ってきてその日に参加するなんてタフだねぇ」と。でもせっかく頂いた機会なんです。実はカナダへの出発前夜10時半まで京大大学院の方々とオンラインで私塾に参加していました。教育にシフトしていく私としては寝る間を惜しんでもこの様な機会は全部体験していきたいのです。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年3月7日の記事より転載させていただきました。






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