ジョブ型雇用ってとん挫しそうなの?と思った時に読む話

城 繁幸

数年前からメディアでも頻繁に取り上げられるようになり、一般の人たちにもだいぶ浸透した感のあるジョブ型雇用ですが、ここにきて日本企業内で分岐点を迎えているのでは、とする分析が出されました。

【参考リンク】ジョブ型雇用の導入企業、期待した成果は確認できず

ジョブ型雇用の導入企業、期待した成果は確認できず 守島基博氏 - 日本経済新聞
ポイント○本格的なジョブ型導入は日本では難しい○若年層で導入賛成多いが熱意は低下気味○専門性向上など実現へ制度改善や工夫を「ジョブ型雇用」が企業の人事制度として取り入れられ始めてから、数年がたった。現在、ジョブ型雇用はどういう形で導入され、...

確かに「必要性は理解するし導入してはみたけど、想像以上にハードルが高い」という話はしばしば耳にします。

ジョブ型雇用は一時の流行りものにすぎず、数年後には「やっぱり日本人には年功序列だよね」みたいなトレンドが復活しているんでしょうか。

それとも、この荒波を乗り切った先に目指すべきゴールはあるんでしょうか。

個人のキャリアとも密接に関連するテーマなので取り上げておきましょう。

ジョブ型シフトは着実に進行中と言えるワケ

結論から言うと、筆者はむしろジョブ型雇用は想定を上回るペースで導入と定着が進んでいると考えています。

なぜか。

それはジョブ型雇用に対する手応えを感じていないと出てこないであろう施策の数々を、日本企業側が積極的に繰り出しているためですね。

たとえば前回も取り上げた初任給の大幅な引き上げトレンドですが、逆になぜ今までの売り手市場(バブル期、ITバブル期、リーマンショック前の売り手市場など)においてそれが実現しなかったかと言えば、それは組織がバリバリの年功序列型だったためです。

年功序列のレールがびしっとつながっている以上、新人だけ別レートで引き上げるわけにはいかないんですね。これがあのバブル期ですら初任給が横並びでほぼ崩れなかった理由です。

でも現在は各社とも気にせずバンバン初任給を引き上げています。要するに今後は年功序列のレールは無くして、まったく別のメカニズムで各人の給料を決めますよ、ということです。

それが何かは言うまでもありません。

新卒一括採用から中途採用へのシフトもそうですね。以前にも言及しましたが、新卒採用の本質がポテンシャル採用であることに対し、中途採用の本質はジョブ型なんですね。

本人のスキルや職歴で採用可否を判断するわけですから。

だから、そもそも年功序列型組織と中途採用は水と油なんです(例:すごいハイスペ人材に年功無視で高年俸は出せない)。

それがここにきて大手各社が中途採用の割合を増やしているのは、やはり組織の体質が脱・年功序列しつつある結果でしょう。

【参考リンク】新卒内定、自動車など18業種で減少 中途採用は過去最高

新卒内定、自動車など18業種で減少 中途採用は過去最高 - 日本経済新聞
日本経済新聞社がまとめた2026年度の採用状況調査では、41業種のうち6割の23業種で大卒内定者数が増加し、全体では1.4%の伸びとなった。伸び率は鈍化しており、マイナスとなった業種数は25年度の12から18に拡大した。即戦力を求める動きは...

さらに言えば、最近話題の配置転換もそうです。

配置転換というのは余剰人員を吸収余力のある他事業に回すことで雇用を維持するもので、終身雇用の十八番みたいに思っている人も多いでしょう。

でも実際にはメチャクチャ社内的なうけの悪いアプローチなんです。だって、同じ未経験なのに人件費の安い新人ではなく、高給取りのベテランを押し付けられるわけですから(しかも往々にして士気は低い)。

だから、従来の配置転換は「もうそれしか選択肢がないような場合に、必要最小限だけ行う」イメージでした。

それを赤字でもないのに数千人規模で行う企業が複数出現したということは。未経験者が割高でなくなるような、要は働きに応じた給与水準に見直せる道筋がついたということでしょう。

【参考リンク】みずほFGが事務職5000人削減へ…事務センターにAI本格導入、配置転換進め収益力強化

みずほFGが事務職5000人削減へ…事務センターにAI本格導入、配置転換進め収益力強化
【読売新聞】 みずほフィナンシャルグループ(FG)はAI(人工知能)を活用し、全国に約1万5000人いる事務職員を今後10年間で最大5000人減らす方針を固めた。最新のAIを使うことで、書類確認などの手間を大幅に削減する。営業やグル

【参考リンク】AI活用で1万人業務代替 NTT東西、見直し加速

AI活用で1万人業務代替 NTT東西、見直し加速 | NEWSjp
NTT西日本の北村亮太社長は16日までにインタビューに応じ、事務を中心とした社内業務に関し「人工知能...

これらの点から、筆者は日本企業全体にジョブ型がしっかり根を張りつつあると強く感じているわけです。

以降、
「想像してたのとなんか違う」と言ってる日本企業はどこをどう間違ったのか
ジョブ化をきちんと定着させるためのプロセス

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Q:「なぜ日本人はAIの進化に否定的だと思われますか?」
→A:「まあ終身雇用だと『クビ=社会的抹殺』みたいなものですし」

Q:「配置転換後のキャリアについて」
→A:「ぜんぜん杞憂じゃないと思いますね」

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編集部より:この記事は城繁幸氏のブログ「Joe’sLabo」2026年3月26日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はJoe’s Laboをご覧ください。

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