同志社国際高校の沖縄研修中に船が転覆し、生徒2人が死亡した事故をめぐり、学校法人同志社が設置した第三者委員会は7月31日、調査報告書を公表した。
報告書は、学校による事前下見の欠如や保護者への説明不足、教員が船に同乗しないまま安全管理を外部に委ねた体制などを問題視し、安全配慮義務違反を認定した。
さらに、事故直後の学校側の会見内容と、報告書で明らかになった事実との食い違いも浮かび上がった。

3月17日 会見する同志社国際高校の西田喜久夫校長
事実と異なる「37人全員が希望」
学校側は当初、問題のFコースに参加した37人全員が同コースを希望していたとの趣旨の説明をしていた。
しかし報告書によると、武石知華さんを含む複数の生徒がコース変更を希望していた。希望者が多かったため抽選となり、武石さんは外れて変更できなかった。
最初の希望調査でFコースを選んでいたとしても、その後に変更を求めていた事実を伏せて「全員が希望した」と説明すれば、生徒たちが自発的に研修を選んだとの印象を与える。
特に、亡くなった生徒が変更を望んでいた事実を説明しなかった責任は重い。
抗議船であることを学校側は認識
学校側は会見で、使用した船が抗議船であるとは認識していなかったかのような説明をしていた。
一方、報告書などからは、関係する教員らが、船が辺野古の基地建設に反対する活動で使用されていることを認識していた実態が示された。
問題は、学校が何も知らなかったことではなく、船の性格や航路、危険性について、生徒や保護者に十分な説明をしていなかったことにある。
「制限区域に入っていない」も覆る
校長は当初の会見で、船は立入禁止区域には入っていなかったと説明していた。
しかし第三者委員会は、事故を起こした船が防衛省の設定した臨時制限区域内に進入していたと認定した。
区域への進入が法的にどう評価されるかは別として、学校側が会見で示した事実関係は報告書によって覆されたことになる。
事故直後で確認が不十分だったのであれば、「確認中」と説明すべきだった。断定的に否定した学校側の姿勢が問われる。
教員は事故を把握していなかった
学校側は、事故後に教職員が全力で対応したと強調していた。
しかし報告書によると、教員は船に同乗しておらず、事故の発生を自ら発見したわけでも、最初の通報や救助活動を主導したわけでもなかった。
辺野古で待機していた教員は、警察官から声をかけられて事故を知ったとされる。
事故後に生徒への付き添いや警察対応を行ったとしても、事故発生時に学校の安全管理が機能していなかった事実は変わらない。
学校は会見内容を検証すべき
第三者委員会の報告によって明らかになったのは、安全管理の失敗だけではない。事故後の説明にも、事実と異なる内容や重要事項の欠落があったという問題である。
学校側が故意に虚偽を述べたとまでは断定できない。しかし、重要な説明が次々と報告書に覆された以上、「会見は嘘だらけだったのではないか」との批判を免れることは難しい。
学校は再発防止策を示すだけでなく、当初会見のどの説明が誤っていたのか、誰がどの情報を基に発言したのかを検証し、遺族と社会に明確に説明する必要がある。







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