投資と投機が違うことは皆さん既にご存知でしょう。さらに過激なギャンブルや宝くじは一か八か、で投下したお金が瞬く間に何割増し、あるいは何倍にもなって戻ってくるかもしれない醍醐味があります。また、勝負が早いというのもポイントです。宝くじでもせいぜい数週間、公営ギャンブルなら数時間で結果は出ます。私の投資人生で感じるのは、多くの人は長期投資でしっかり資産を形成することができる賢さが育まれず、目先の果実を追う人がいまだに多く、もったいないお金の使い方をされていると思います。
最近メディアでは「億り人」になった人たちの軌跡を追うニュース、更になぜそこまで資産形成が出来たかを記事化したものも目立ちます。私は今更それを読むことはほとんどありませんが、各人各様だろうと推測します。
私は現在30銘柄程度を保有していますが、業種にある程度ばらつきを持たせています。理由は「卵は一つの籠に盛るな」だからです。毎日、何度か市場の値動きをチェックしていますが、どれだけ荒れた相場の日でも全部下がることはなく、大幅下げの日でも手持ち株には新値をつけるものがよくあります。よって投下資本で見ると資産の増加率は年率でせいぜい20-30%程度ですから腕自慢の人に比べて劣るでしょう。但し、長年ずっと同じリターン水準を維持しているのです。
日経に「<家計のギモン>『オルカン一択』で大丈夫か」という記事があります。寄稿者は投資信託のオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式 <オール・カントリー、略してオルカン>)の開発をもともと主導した人です。その本人がオルカンの特性を述べています。私はもちろんオルカンは持っていませんが、オルカンは世界のマネー増大に呼応する商品だと考えています。マネーが膨張すればオルカンも上がるのです。よって超長期でみればオルカン一本でも確かに安全に見えるわけです。ただ、寄稿者も述べているように相場ですから必ずうねりがあり、ある時期に下がっても耐え忍べる時間的余裕がオルカンとの相性とも言えるのです。
株式投資で勝てるかどうかの1つのポイントは時間軸に負けないか、であります。例えば制度信用取引ならば期限は6か月です。とはいえ、実態としてはスウィングトレード目的が多く、決済までの期間は数週間から2か月程度です。例えばある銘柄が好決算を期待して株価が上昇してきたものの決算発表で失望売りとなり、大暴落というケースはよくあります。その場合、株価は短期でスウィングせず、長期株価下落トレンドを形成することもしばしばで、信用取引の人は早期の清算を迫られるわけです。理由はあまり下がれば追証が発生するからです。
この場合、まさに時間に勝てないのです。ですが、企業経営は往々にして数年から10数年のスパンで栄枯盛衰になるケースも多くあります。これは①業界の景気循環 ②経営者の交代 ③企業は座して待つことがない が理由です。会計原則に「継続性の原則」があります。つまり会社は継続するのが前提であり、継続するために様々な努力を惜しまないのです。とすればドボンになった持ち株を塩漬けしても忘れた頃に株価が戻ってくることはしばしばあるわけです。しかし、キオクシア株のように熱狂となった場合、株価形成が実態を伴っていなかったため、天井掴みの人は負けであります。つまり「株価チャートを見よ、そして現在の株価が熱狂の渦で急騰した場合は確実に急落を伴う」であります。その演出は投機筋が囃し、ギャンブル好きの短期の利益を追う金の亡者がたかっているだけだと考え、近づかないことが重要です。

キオクシアHPより
私は最近上場投資信託銘柄も結構買っています。買うのはカバードコール型で資金の投下対象は銀行やインフラ、ハイテク株型などに分散しています。どれも概ね年率10-16%の配当があります。全体のポートフォリオで配当重視の銘柄に資金を6割程度仕向け、残り4割を一般銘柄で運用しています。この4割の一般銘柄も保有期間は比較的長く、1年程度から長ければ6-7年持っているものもあり、中には株価が25倍まで成長しているものもあります。
北米の企業は原則成長します。日本企業は必ずしもそうではないですが、北米の場合、株主からの成長圧力が強く、自力成長できない場合は経営者交代、被買収、倒産などシビアな生存競争となっています。例えば私が保有するある銘柄はまもなく被買収されるのですが、買収する企業がファンドから更に買収提案を受け、非上場化のオファーを貰っている状態で正直、マネーの動き方に私でも翻弄されてしまうのです。日本の銘柄はさすがそこまでは起きないので刺激が少なく、株価の成長がしにくい、とも言えます。
よってオルカンのように日本銘柄の組み入れが全体のごく一部と言ったような投資信託が結局は勝ち組になるのだと思います。投資は地球儀ベースでみて、日本株がどのようなポジションにあるかを見定めながらリスク分散を図るのが賢い投資戦略だと思います。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年8月13日の記事より転載させていただきました。







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